あたりまえじゃない。
後編
作 LynX
アスカ 「ただいま・・・。」
部屋の中は暗かった。
シンジは自分の部屋にいるようだ。
シンジ 「アスカ・・・?おかえり・・・。」
シンジの部屋から声がした。
アスカ 「ただいま・・・。」
シンジ 「アスカ・・・ごはんは・・・?」
アスカ 「食べてきた・・・。」
シンジ 「そう・・・キッチンに簡単に作ったものがあるから
おなかがすいたら温めて食べてね。」
アスカ 「ありがと・・・。」
アタシは自分の部屋に入った。
冷たいベッドに寝転がった。・・・さみしい。
アタシはなかなか眠れなかった。
何度も何度も寝返りを打った。
その時。ふすまの開く音がした。シンジの部屋かしら?
シンジ 「アスカ・・・起きてる?」
アスカ 「・・・起きてるわよ。」
シンジ 「あのさ・・・今日はごめん。」
アスカ 「・・・何がよ。」
シンジ 「朝も・・・置いて行っちゃったし、夜も・・・何も
できなかったし・・・。ごめん。」
アスカ 「いいわよ・・・別に。」
シンジ 「それと・・・昼も言ったけど・・・やっぱり僕じゃ
大会には出れないよ。」
アスカ 「・・・そう。」
シンジ 「それで・・・100万円でアスカ、何を買うつもりだったか
知らないけど・・・僕の持っているお金で買えるような
ものだったら買ってあげるから・・・許してくれる?」
アスカ 「・・・・・・。」
シンジ 「アスカ?」
アスカ 「・・・許さない。」
シンジ 「アスカ?」
アスカ 「許さない。絶対許さない。」
シンジ 「そうか・・・。じゃあ別の方法を考えるよ・・・。
ごめんね・・・おやすみ・・・。」
アタシはベッドから降りて部屋のふすまを開けた。
シンジは部屋に帰ろうとして後ろを向いたいたが驚いて振り返ろうとした。
アタシはそのシンジの背中に抱きついた。
アスカ 「絶対・・・絶対許さないわ。」
シンジ 「アスカ・・・。」
アスカ 「100万円なんていらない・・・アタシが・・・アタシが
欲しいのはシンジ・・・シンジだけ。」
シンジ 「アスカ・・・。」
アスカ 「100万円なんて見せかけの理由よ。そうよ。ホントは・・・
ホントはアタシ、シンジと腕を組んで歩いたり、シンジと
ごはんを食べさせあったりしたかっただけなの。シンジと・・・
キスしたかっただけなの・・・。」
シンジ 「アスカ・・・。」
アスカ 「シンジ・・・ごめんね・・・。」
つい涙が出てきてしまった。
謝らなきゃいけないのはアタシの方だった。
シンジがアタシの方に向き直った。
シンジ 「アスカ・・・泣かないで。」
アスカ 「シンジ・・・。」
シンジ 「アスカ・・・僕も・・・同じ気持ちだったんだ・・・。」
アスカ 「ホント・・・?」
シンジ 「うん。毎日アスカと一緒にいて、幸せだと思っていたけど、
ふと、大会が終わったらどうなるのかなって思って。大会が
終わったら元の同居人に戻っちゃうのかなって。そう思ったら
すごく不安になっちゃって・・・。」
アスカ 「シンジ・・・。」
シンジ 「アスカが・・・僕のこと想っててくらたなんて・・・うれしいよ。」
アスカ 「アタシも・・・シンジ・・・うれしい。」
シンジ 「さ、涙を拭いて。ね?」
アスカ 「うん。・・・シンジ・・・。」
シンジ 「なに?」
アスカ 「キス・・・してくれる?」
シンジ 「うん・・・。」
今までで一番幸せな、甘い甘いキスだった。
そして、アタシ達の、はじまりのキス。
・・・大会当日。
アタシ達に不安はなかった。
気持ちが通じ合っている。他の誰よりも。
だから。
司会 「さあ、『カップル限定、24時間キスし続けられたら
100万円:東日本大会』いよいよです!参加50組の
うち何組が100万円を手にすることができるのでしょうか!
それでは、はじめます!よーい!」
ピストルの合図と共にみんなが一斉にキスを始めた。
これだけまわりじゅうがキスしてるってのもおかしな景色ね。
司会 「さあ、この挑戦のルールは、24時間休憩なしでキス
し続けるという過酷なものです。唇を2秒以上離すと
その場で失格となります。」
5時間経過
司会 「さあ、ここまで残っているのはまだ47組。ここで最初の
難関が待ちかまえています!その名も『くすぐりの峠』!
1分間のくすぐりに耐えなくてはなりません。この峠を
越えてこそ愛ははぐくまれるのです!」
司会 「おおっと、ここで脱落者が多数!一気に減って25組に
なりました!その中でもいかにも余裕だったのがゼッケン
12番、碇シンジくんと惣流・アスカ・ラングレーさんの
カップル!くすぐりに微動だにしません!」
(ここでテレビを見ながら硬直する者が多数いたという。)
(以下、目で語っています。)
アスカ (シンジ、大丈夫?)
シンジ (アスカこそ、大丈夫?)
アスカ (大丈夫よ。シンジと一緒だもの。)
シンジ (僕もだよ。がんばろうね。)
アスカ (もちろん。)
10時間経過
司会 「さあ、ここまで残ったのは24組。そしてここで
第2の難関です!その名も『愛の二人三脚』!キスを
したままで二人三脚をしてもらいます。もちろん、唇が
2秒以上離れたら失格。さらに4人ずつ走って最下位は
失格という厳しいルールです!」
司会 「さあ、第2組では先ほどの注目カップル、碇・惣流組
・・・え?あ、はい。本人達からの要望でシンジ・アスカ
組と呼ばせていただきます。彼らが登場します。どのような
走りを見せてくれるのか。さあ、スタート!
おおっと、速い速い、ダントツです、シンジ・アスカ組。
今、他の組を10m近く引き離してゴールです。
いやあ、この2人、台風の目ですね〜。」
司会 「この難関でまたもや脱落者多数!14組に減ってしまいました。
しかも、1組をのぞいて息が上がってつらそうです。」
シンジ (アスカ、苦しくない?)
アスカ (まだまだ大丈夫よ。シンジこそ、どうなの?)
シンジ (僕もまだまだ大丈夫。)
アスカ (がんばるわよ。)
シンジ (うん。)
15時間経過
司会 「さあ、そろそろ空腹と疲労、おまけに睡魔まで襲って
きているんではないでしょうか。しかし、ここで第3の
難関です。その名も『クイズの壁』!今から出す3択問題に
みなさん答えていただき、5問正解した時点で抜けられます。
ただし、お手つきは2回まで。3回目で失格です。
さらに、抜けられるのは上位8組までです!残っているのは
12組!さあ、はじまります!」
司会 「おっと、ここでもダントツのトップで抜けたカップルは・・・
やはりというか、シンジ・アスカ組です。そんなに簡単な問題
ではなかったはずですが・・・。お手つきなしです!」
司会 「ここまで残った精鋭8組。残り9時間を生き残れるでしょうか!」
シンジ (アスカに助けてもらったね。)
アスカ (シンジだって当ててたじゃない。)
シンジ (でもやっぱりアスカだよ。すごいね。)
アスカ (シンジの支えがあるからよ。)
シンジ (ありがと。がんばろう。)
アスカ (そうね。)
20時間経過
司会 「さあ、昨日の朝から彼らはずっとキスし続けています!
あとしばらくで夜が明けます。そしてここで最後の難関、
その名も『愛のお化け屋敷』!ここ第3新東京ドリーム
ランド内のお化け屋敷を、キスしたまままわってくる
のです。おそらくどちらかが叫び声をあげた瞬間、失格に
なるでしょう。さあ、8組中何組が残れるのか。それでは、
はじめます!」
アスカ (シンジ・・・アタシ、こういうの苦手・・・。)
シンジ (大丈夫。怖くなんかないよ。僕がずっと一緒だよ。)
アスカ (うん・・・お願いよ。)
司会 「さて、いよいよ注目のシンジ・アスカ組が入っていきました。
最初は順調ですが・・・おおっと、立ち止まったぞ?」
アスカ 「ん〜〜〜ん〜〜〜ん〜〜〜!!」(シンジィ〜、こわいよぉ〜。)
シンジ 「ん・・・。」(大丈夫、そばにいるよ。)
アスカ 「んん・・・。」(あ・・・舌が・・・。)
司会 「動きませんねえ・・・大丈夫で・・・お、歩き始め
ました。大丈夫のようです!シンジ・アスカ組、ここも
突破しました。」
司会 「極限状態の中で残ったのは2組になってしまいました。
あとは24時間までひたすら待ち続けるだけです!」
アスカ (シンジ、ありがと。)
シンジ (これでいいんだよ。お互いに助け合っていくんだ。)
アスカ (シンジ・・・。)
シンジ (怖がってるアスカ、かわいかったよ。)
アスカ (もう、バカ。でも、シンジのあのキス、よかった。)
シンジ (アスカ・・・大好きだよ。)
アスカ (シンジ・・・アタシも大好き。)
22時間経過
司会 「ここで思いがけないハプニングです!雨です!しかも
結構強いです!この屋外の舞台ではさえぎるものが
ありません。24時間が見えてきたところで、何という
ことでしょうか!」
シンジ (アスカ・・・大丈夫・・・?)
アスカ (息が・・・ちょっと・・・。)
シンジ (僕も・・・。)
アスカ (シンジ・・・強く抱いて・・・。)
シンジ (うん・・・アスカ!)
アスカ (そして・・・キスを・・・激しく・・・。)
シンジ (アスカ・・・アスカ・・・!)
司会 「この雨で残っていた2組のうち、1組が失格、残りは
ついにシンジ・アスカ組だけになってしまいました!
しかし、この激しい雨の中、それ以上の激しさで愛を
守り続ける2人に、わたくし、恥ずかしながら感動して
おります!」
23時間30分経過
司会 「あれほど激しかった雨はつい先ほどやみ、空は白みはじめ、
所々に晴れ間が見えております。残ったのはたった1組、
シンジ・アスカ組だけです!残りは30分。数々の苦難を
乗り越え、2人はここにいるのです!」
シンジ (アスカ・・・もう少しだよ・・・。)
アスカ (そうね・・・。シンジ・・・ありがとう。)
シンジ (こちらこそ・・・ありがとう、アスカ。)
アスカ (2人で・・・。)
シンジ (うん・・・。)
そして・・・
司会 「ついに残り1分を切りました!ついに、ついにここまで
来ました!すばらしいの一言です。碇シンジくん、そして
惣流・アスカ・ラングレーさん。
間もなくカウントダウンです。・・・10,9,8,7,6,
5,4,3,2,1,ゼロ!やりました。そして100万円を
手にしました!
太陽が昇ってきました。すばらしい朝です。そして、2人に
とってもこの朝日はとても美しく見えていることでしょう!」
N原 「そのお二人をスタジオにお呼びしました!どうぞ!」
アタシとシンジは腕を組んでテレビカメラの前に出ていった。
大好きなシンジを自慢するように。
N原 「いや〜、思わず感動してしまいました。」
U村 「危うく違う番組になりそうでした。」
(笑)
N原 「実は西日本大会も開催したんですが、誰も達成できな
かったんですよ。だから、すごいです、あなたがたは。」
U村 「どうでしたか、24時間を終えて。」
シンジ 「うーん、うれしかったです。」
アスカ 「シンジと一緒でよかったって思いました。」
シンジ 「ありがと、アスカ」
シンジはアタシにそっとキスしてくれた。
アスカ 「シンジ・・・。」
U村 「100万円は何に使いますか?」
シンジ 「うーん。」
アスカ 「そういえば考えてなかったわね。」
シンジ 「結婚資金にします。」
アスカ 「シンジ・・・うれしい。」
パチパチパチパチ・・・
U村 「それでは、このお二人にあてられるまえにCMです。」
(笑)
テレビ局からの帰り道。星がとってもきれいだった。
シンジと2人で腕を組んで歩く。
夢にまで見たことが現実になってる。
アスカ 「ねえシンジ。」
シンジ 「なに、アスカ?」
アスカ 「願いって・・・叶うのね。」
シンジ 「そうだね・・・。」
アスカ 「アタシ・・・幸せ。」
シンジ 「・・・アスカ。」
アスカ 「なに?」
シンジ 「ずっと・・・ずっと一緒にいようね。」
アタシは立ち止まってシンジを見た。
シンジもこっちを見ている。
アタシとシンジはゆっくりと唇を合わせた。
そしてアタシは笑った。
「「あったりまえじゃない!」」
どこからか、同じ言葉が聞こえたような気がした。
おしまい
(筆者より)
ま〜くさん、100000HITおめでとうございます!
ということで、この小説は「第2弾」の後編でした。
いかがでしたか?
第1弾とのつながりは見つけられましたか?
これからも私、一生懸命書きますので、どうぞよろしく。
「ま〜くの落書き部屋」のますますのご発展をお祈り申し上げます。
LynXでした。
感想お待ちしています。
LynXさん、本当にありがとうございました!!
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までお願いします。