し・あ・わ・せ

作 LynX


 ピンポーン

「はーい、あ、アスカ。待ってたよ。さ、入って。」

「おじゃましまーす。ん、この香りはビーフシチューね。」

「さすがだね。当たりだよ。」

「ふふ。シンジの料理については誰よりも知ってるもの。」

「毎晩だからね。」

「そういえばそうね。アタシが来なかった日といえば・・・。」

「引っ越した当日ぐらいじゃない?」

「そういえばそうね。でも、本当はあの日も来るはずだったのよ。
 ヒカリが寂しいだろうからってアタシの家に泊まっていったから
 我慢したけど。」

「こらこら、それじゃまるで洞木さんが邪魔だったみたいだよ。」

「正直言うとその通りだったわ。シンジが寂しいだろうと思って
 あまり眠れなかったのよ。」

「アスカは寂しくなかったの?」

「寂しいに決まってるじゃない!毎晩一緒に寝てたのにあの日だけ
 別々だったのよ。寂しくないわけ・・・。」

「ごめんね、アスカ。」

「べ、別にいいのよ。次の日からは一緒だったし・・・。」

「あの日は僕も寂しかったよ。」

「シンジ・・・。」

「今日も泊まっていくよね?」

「ええ、もちろんよ。」

「よかった。じゃ、ごはん食べようか。冷めないうちに。」

「うん!」


 ・・・・・・

「ごちそうさま。おいしかったわ。さすがシンジ。」

「ありがと、アスカ。」

「後かたづけ、手伝うわ。」

「別にいいよ。テレビでも見ていたら?」

「シンジはアタシに一人きりでテレビを見てろと言うの?」

「そ、そうだね。じゃあ手伝ってもらおうか。」

「くすくす。最近毎日こんな感じね。」

「そういえばそうだね。」


 カチャカチャ

「ねえシンジ。」

「なに、アスカ?」

「こうやって2人でキッチンに立ってるとさ。」

「うん?」

「新婚夫婦みたいね。」

「とっ、とっ、突然何言うんだよ!お皿落としそうになったよ。」

「ふふふ。シンジ、顔が真っ赤よ。」

「まったく、ひとをからかって・・・。」

「シンジは、アタシとじゃイヤ?」

「そ、そんなわけないよ。」

「よかった。・・・早く本当にそうなれたらいいな。」

「そ、そうだね。さ、早く洗っちゃおう。」

「うん。」


 ・・・・・・

「それにしてもミサトも意地が悪いわねえ。」

「何で?はい、アスカ、紅茶。」

「あ、ありがと、シンジ。何でって、アタシ達のことよ。」

「そうだねぇ。」

「ミサトが加持と暮らすからってアタシ達を追い出すのは
 分かるけど、何も別々にしなくてもいいじゃない。」

「でも、隣の部屋だよ?」

「隣でも別の家よ。それともシンジは平気なの?」

「平気じゃないよ。でも毎晩アスカが来てくれるし、
 それに・・・。」

「それに?」

「う〜ん、言ってもいいかなあ。」

「何よ、もったいぶらずに言いなさいよ。」

「アスカ、今度の12月で18歳だろ?」

「そうだけど?」

「そしたら、籍を入れて新居に移る予定なんだけど・・・。」

「え・・・!」

「ダメ・・・かな・・・?」

「ダメなはずないじゃない!」

「よかった・・・。」

「それはプロポーズの言葉と受け取っていいわけね?」

「う、うん・・・。」

「まったく、ムードに欠けるわねぇ・・・。」

「ご、ごめん。」

「うふふ、いいわよ。ねえ、もう一度ちゃんと言って。」

「え・・・?」

「ほら、早く。」

「あ・・・。あの、アスカ。」

「なあに?」

「僕と・・・僕と結婚して下さい。」

「うふふ。喜んで。」

「ありがとう、アスカ。」

「こちらこそ、ありがとう、シンジ。」

「アスカ・・・。」

「でも、大変よ、シンジ。」

「な、何が?」

「高校の名簿の名前、変えてもらわなくちゃ。」

「あ、そういえば。」

「先生やクラスのみんなはどんな顔するかしら。」

「う〜ん。大騒ぎどころじゃすまないだろうね。」

「何だか楽しみ。」

「いろいろ噂が立つかもよ?」

「いいのよ、シンジと一緒なら。」

「僕も、アスカと一緒なら。」

「シンジ・・・、アタシの旦那さん・・・。」

「アスカ・・・、僕の奥さん・・・。」

「シンジ・・・。」

「そ、そろそろ寝ようか、アスカ。」

「ええ、アナタ。」

「ア、アスカ・・・。」

「うふふ、また真っ赤になって。」

「まったくもう・・・。」





 ・・・その数ヶ月後、朝礼にて

「先生、ちょっといいですか?」

「どうしました、惣流さん?」

「先生とクラスのみんなに重大発表がありまして。」

「何ですか?」

「ほら、シンジも立って。」

「う、うん。」

「いくわよ。」

「「私(僕)達は、結婚しました!!」」

「「「「「「は?」」」」」」

「それで、私、惣流・アスカ・ラングレーは
 碇・アスカ・ラングレーになりましたのでよろしく。」

((((((石化))))))
 
「それだけです。どうも失礼しました。」


 ・・・・・・

「さ、帰りましょ、ア・ナ・タ。」

「うん。今日の夕食は何がいい?」

「シンジの作るものならなんでも。」

「だ〜め。アスカの好きなものが作りたいんだから。」

「ん〜と、それじゃ、ハンバーグ。」

「よし、じゃあ帰りにスーパーに寄っていこうか。」

「うん。行きましょ。」

「それじゃ、トウジ、ケンスケ。また明日。」

「バイバイ、ヒカリ。」


 石化した者、灰になった者、血の涙を流す者・・・。
 はたしてここは高校なのだろうか?

 ・・・この日からしばらく、高校の機能がほとんど停止したことは
言うまでもない。





 (筆者より)
ま〜くさん、50000HITおめでとうございます!

このあいだ40000HITを迎えたばかりなのに、早いですねえ。
今回は身も心もとろけるようなお話をめざして書いてみました。
どうでしょうか?

「こんなに〜」の方も引き続きがんばりますのでよろしくお願いします。

「ま〜くの落書き部屋」のますますのご発展をお祈り申し上げます。

LynXでした。





感想お待ちしています。


LynXさん、本当にありがとうございました!!

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「喫茶りんくす」へ戻ります。