新世紀エヴァンゲリオン Side Story

Where is my Daddy ?

Epilogue 旅と戦いの後で −あとがき&設定、裏話紹介−

・・・Open file・・・Now Accessing・・・

・・・Nerv Tactics Report・・・
・・・Report Number:99A-3428-5516-GDT
・・・Total Tactics Code Name:Children's Future
・・・Special Tactics Code Name:Gungnir
・・・Tactics Commander:Kouzou FUYUZUKI
・・・Special Tactics Commander:Misato KATSURAGI
・・・Cooperation:Nerv German Branch(Specially,Takeshi YAMATO)

・・・Report written by "Moonstone"

・・・Body of Report as follow・・・


No.1 本作品の企画について

 1-a:起案
 本件については以下の要因を報告する。
 まず一つ目は、筆者が視聴したTV番組にある。日付に関しては筆者の記憶が不明なため明らかではないが、
ある番組(現在も放映中)の特集に相当するコーナーで精子バンクの紹介があり、
そこで学歴、職業、収入などの経歴に始まり、
髪や肌の色、IQなど事細かな「条件」をクリアした男性が精子を供出し、
それを女性がまさにカタログショッピング感覚で買い、
それをさも当然のように言ってのける場面が放映された。
筆者がそれを不快に思ったところに、女性出演者が

「(精子バンクは)とても素晴らしいことと思いますがね」と

発言したことに激昂したことが、今尚鮮明に記憶に残っている。

 かねてから筆者は所謂男女同権に関する論調に対して懐疑的である
男性が女性を「選別」することには「男女差別」「女性の商品化」などと激しい攻撃が浴びせられるのに対して、
女性が男性を「選別」することは何等問題視されない。
むしろそれは女性の「権利」であると当然視する向きもあると筆者は指摘する。
女性のみ割引するレディースデイ、「嫁入り」は「旧時代的」だが「婿養子」は批判しない、
或いは「女らしく」は「価値観の押し付け」だが「男らしく」は黙認などは、ほんの一例にすぎない。
このように逆差別がまかり通る現状が男女同権や女性の権利向上であれば、到底容認出来ない
というのが筆者の考えであり、それをを織り込んだ作品をかねてから執筆する方針を固めていたものである。

 次に二つ目であるが、コミック版エヴァ第3巻におけるアスカの父親に関する部分が挙げられる 。
碇シンジとユニゾン特訓中の惣流アスカが、父親は精子バンクで売買された精子であること、その精子供給者が
天才科学者であることを語り、そしてアスカが述べた台詞

 「一流の精子と一流の卵子が出会って生まれた」
 「あたしは選ばれた人間、特別ってこと」
 「関係ないもん。父親がいようがいまいが」

に筆者は多大な懐疑と憤りを感じたという。
 精子と卵子が一流なら生まれる人間は一流なのか、では一流とは何なのか。
 一連のオウム事件で「エリート」と呼ばれる人間達が何をしたか。
 自分を選ばれた人間、特別な存在と語る人間は大抵、ろくな者ではないことは、
過去や現在を見れば明らか。
 精子バンクがもたらした父親の存在の希薄化が、アスカの言動に結びついているのではないか。

交錯するこれらの考えが第1の要因と結びつき、作品執筆への大きな原動力となったことは間違いない。

 最後に三つ目であるが、今まで筆者が拝見した数多くのエヴァSSには、アスカの父親を題材にしたものが
明らかに少ない
という点が挙げられるようである。
 初の連載(もっとも、筆者のSS執筆歴やエヴァ歴は1年に満たない)ということで、ここはひとつ、
作品群が希薄なこのテーマを扱ってみようと思い、どのような展開にしようかと思案していたところに、
先に挙げた二つの要因が絡み、執筆決行と繋がったものである。

 1-b:タイトル選定
 タイトル「Where is my Daddy?」が決定したのは、第1話発表直前である。
筆者は元々、タイトルを決めるのがかなり苦手であり、
本作品に関しても各Episodeのタイトルは殆ど最後に付けられた。
 タイトルの由来は父親を探すということで幾つか検討段階に登ったが、
巨匠手塚治虫氏の名作「ブラックジャック」の「友よいずこ」の英文、Where Are You,My Friend?
を拝借した現在のものを使用することに決定した 。

 各Episodeにはタイトルとそれに英文が付随しているが、それらは筆者が話の内容に沿うように、
同時にエヴァ本編のタイトルに雰囲気を合わせるように思案した結果である。
以下に全作品のタイトルと付随する英文の出所について列記する。
なお、筆者の語学力不足により、英文に問題点がある可能性は否定できない

  1. Prologue:悪夢、刃の記憶
     本文中の加持の台詞「アスカの心にとって、首を吊った母親の姿は凶器そのものだ。
    それが毎晩夢という形でダイレクトに心に突き立てられる」から発想。
    英文はやはり本文中の加持の台詞「アスカに必要なのは親の愛、とりわけ父親の愛だ」である。
  2. Episode 1 くつろぎの時、真実への扉
     本文の雰囲気や展開を典型的に象徴するように付けた。
    英文は本文中のミサトの台詞「お父さんに会えるならそれにこした事はない」である。
  3. Episode 2 応えよ我が魂の叫びに
     シンジが情報部職員やNerv本部に訴える様子を象徴するために付けた。
    英文は本文中の冬月の台詞「人一人救えぬ組織が、世界を救うことを口にするなど、おこがましい」である 。
  4. Episode 3 決戦、電脳世界
     本文のクライマックスであるNervと精子バンクのサーバーとの攻防を象徴するように付けた。
    英文は本文中のリツコの台詞「実は私もね、父親の顔を知らないのよ」「私が女として母さんを憎むように
    なったのはそれからよ・・・」を直訳して連結した。
  5. Episode 4 待ち焦がれた果てに
     幸せな結末への期待を見事に裏切る衝撃の事実を象徴するように付けた。
    英文は本文中の加持の台詞「後は・・・頼む・・・。もう俺には・・・アスカを見守る資格はない・・・」 である。
  6. Episode 5 選ばれし者、弄ぶ者
     優秀故に精子バンクに狙われ、翻弄されたベルベットと、やはり優秀故にエヴァや大人に翻弄された
    アスカ。
    遺伝上で親子であることが判明した、似通った人生を歩んだ二人の対峙を象徴するように付けた。
    英文は本文中のベルベットの台詞「父親になった覚えもないのに、父親だと認めろというのか?」である。
  7. Episode 6 愛する者に、我は告ぐ
     ギタリスト渡辺香津美氏の作品「嵐の夜 君に告ぐ」(アルバム「パンドラ」収録)に由来。
    また、ぞれぞれの思いを相手にぶつけるシーンが多いので、それらを象徴するように付けた。
    英文は本文中のシンジの台詞「たとえ父親だと認めなくても、どうして一人の人間として良く生きようと
    しなかったんですか?」である。

No.2 本作品の展開及び筆者の所見

 本作品は「落書き部屋」所蔵のSS作品中では、かなり重い部類に属する。
展開の大筋は企画成立時にほぼ固まっていたが、
果たしてそのまま執筆して良いものか、と筆者はかなり不安視した。
しかし、幸いにして寄せられた感想では「重い話だが無事アスカを補完して欲しい」「緊迫した展開が楽しみ 」
などと激励して頂き、それが執筆を続ける上で大きな励みとなったことは間違いない。
 寄せて頂いたメールには必ず返事を出しているが、掲示板では都合上、
筆者がそれを見る機会が少な いため返事が出来なかった場合がある可能性がある

該当する方々にはこの場をお借りしてお詫びしたい。

 各Episodeの導入部をセンタリングで統一する手法は、「落書き部屋」とリンクしているHPの一つである、
「Revolution Asuka」掲載の「あるまどろみの風景」から引き継がれている。
「あるまどろみの風景」では全作品を通して共通の文章だったが、今回は登場人物の心情を直接表現している。
 デビュー作である「あるまどろみの風景」は、情景描写に大きな比重を置いて叙情的な作品を目指した。
本作品では情景描写のウェイトをやや減らし、登場人物間の言葉のやり取りに重点を置き、
写実的な作品を目指している。

 感想を寄せて頂いた読者には「あるまどろみの風景」を知る方も多いらしい。
それ故に本作品とそれとの違いに戸惑いを感じた読者もおられたのではないだろうか。
もっとも、「マヤちゃん、ふぁいとぉ!」のギャップとは比較にならないかもしれない。


 Prologueではアスカが今尚第15使徒との戦いの後遺症に苦しんでいることを強調し、
以降の展開に繋げている。
これについては殆ど最初の構想から変化はない。比較的すんなり仕上げられた方である。
 物語の背景や登場人物の紹介を急ぐあまり、
アスカの悪夢と父親の必要性の関連付けがやや甘くなっ た
ように思われる。
これについては読者からも指摘が寄せられたことであり、今後の反省材料にしていく必要がある。


 Episode 1から本題に入る。ここは本作品中で最もゆったりしたEpisodeで、かつLAS度が最も 高い。
当初LASに力を入れすぎて必要以上に冗長になり、2回にわたって書き直したが、
それでも目安としている 30kBに収まりきらなくなったため、精子バンクの訪問部分をEpisode2に配分した。
筆者も、この二人はアスカの父親を探しに来たのではなくて、新婚旅行に来たのではないかと思えた。

 また、ここで本作品のオリジナルキャラである、大和タケシが初登場する。本作品に寄せられた感想で は、
大和タケシがかなり好評で、筆者の予想を大幅に上回る反響を得たことがかなり目立っている。
最初の設定では大和二佐の役割は加持が担う予定だった。
しかし、加持がシンジとアスカに同行することに違和感が拭い切れず、
ドイツ在住のオリジナルキャラを登場させようということで設定したのが彼、大和タケシである。
彼の設定は以下の通りである。本文中でも触れているが、加持はドイツ支部在籍中に面識がある。

・・・Personal Data File Japanese Version・・・
・・・氏名:大和タケシ      国籍:ドイツ
・・・生年月日:1988年4月19日   年齢:30歳
・・・血液型:B          家族:なし(独身)
・・・主な経歴:国連大学法学部卒業。Nervドイツ支部諜報部(現・情報部)に配属。
       諜報1係長(二尉)、特殊活動課長(一尉)、情報部副部長(三佐)を歴任。
       2016年9月1日より現職(二佐)。同年、ドイツ国籍を取得。

 筆者自身、大和二佐に対する思い入れは執筆を重ねるうちに強くなっていった
特に規則違反を承知でMAGI端末の使用を許可してミサトとやり合う場面(Episode 2)や、過激なセキュリティが
待ち構えていてサーバーに接続できないため、強行突破をする場面(Episode 3)で垣間見せた、
クールな外見に秘められた情に厚い性格は、特に気に入っている個所である。
 感想では「続編で大和タケシが活躍する話を書いて欲しい」という要望も寄せられた。筆者の企画では 、
次回連載でも登場させる予定であり、要望にも実現の方向で企画を立案する方針
である。


 Episode 2は可能性のある精子バンクの訪問とシンジの変化がメインとなっている。
 精子バンクの様子や提供リストを要求した二人に応対に出た女性が語る精子バンクの有用性については 、
1-aにおいて述べられている本作品執筆の大きな要因となったTV番組の記憶を元にしている。
その女性に対するアスカの叫びは、筆者の主張が込められている。
即ち、女性に理想を押し付けるなと言う一方で子どもや男性には理想を押し付ける自己矛盾
を暗喩している。
 本作品を通じて直接或いは間接的に語られる精子バンク批判については、「もう少し抑えても良いのでは 」
「少し引いてしまう」という指摘が寄せられた。
筆者としては、アスカが自分を見てもらおうと必死に求めたものは「優秀」の二文字であり、
それを生まれる前から「産む側」の特権を濫用して押し付ける精子バンクの在り方を
厳しく批判するのが作品の主題の一つである以上、この部分は必要不可欠
であると筆者は考えている 。
 後半では相次ぐ訪問の不発で落胆するアスカを見て、言動に変化を見せるシンジの様子がメインとなっている。
これは本作品のクライマックスであるEpisode 5とEpisode 6での、アスカの父ベルベットとの対決の布石となっている。
 シンジの割り込み提案に対するMAGIとリツコの対応については、少々悩んだ。MAGIの一つがリツコの母親の
「母親」としての人格を移植されていることで、それが親を求める子の気持ちを察したということで
条件付き賛成を提示する展開は固まっていたが、どれが「母親」かは知らなかった。
そこで、筆者が所有する数少ないエヴァの資料である、フィルムブック5巻のp21にあるリツコの台詞、
「科学者としての自分、母としての自分、女としての自分」とMAGIの画面上の配列、
そして「女」がカスパーにあたることから推測して、メルキオール=科学者、母親=バルタザール、
(女=カスパー)と当てはめた結果
である。
 リツコがMAGIに勧告を出す部分では、好意的な意見と「都合が良すぎるのでは」「最後まで(私的利用には )
反対して欲しかった」という賛否両論が寄せられた。
MAGIは全員一致でシンジの割り込み提案を否決するだろうとリツコが推測していたことは、
本文中にあるとおりである。
勿論、リツコ自身が規則違反であるMAGIの私的利用については乗り気でなかったであろう。
ところが予想に反してバルタザールが条件付きながら賛成を提示したことで、リツコの中で変化が起こった。
筆者はこのように考えている。
 寄せられた感想を読むと執筆の励みになるのは勿論だが、一つの文章で受け止め方がこれだけ違うも のか、と驚かされることが今回は多かった


 Episode 3は「主役」の二人より、Nervの行動に主眼が置かれている。精子バンクのサーバーとの攻防が
メインであるが、筆者が展開を固めるのに非常に苦しんだ部分でもある。
複数存在する対象サーバーへの侵入方法はもとより、侵入の順番、ホログラフィーの表示や侵入作戦の描写は
幾度となく修正を繰り返し、電脳世界で繰り広げられる秒単位の息詰まる攻防を描き出すよう苦心した。
 対象となった5つの精子バンクの名称は、筆者の思い付きでそれらしいものを当てはめただけであり、
実際の団体などとは一切関係はない。ただ、サーバーC、女性支援研究所が過激なセキュリティを発動させたことは、筆者の主張が含ませてある。即ち、女性支援や権利向上に対する批判や疑問に対して過敏に反応し、
何かと「女性差別」「旧時代的」のレッテルを貼って排撃する傾向に対する皮肉
である。
その過激なセキュリティに対抗するプログラムの名称「N2B」については説明するまでもないだろう。
 ここでは作戦の合間を縫うように、人物に伏線を用意している。
サーバー侵入作戦の重要人物であるリツコについてだが、カスパーだけが自分の勧告にもかかわらず反対を通したこと、自室でミサトに自分の過去を洩らすくだりは、リツコがMAGIの私的利用賛成に傾くことになった要因と しても密接に関係する伏線として用意した。
これは筆者がMAGIの人格を当てはめる資料となった、フィルムブック5巻のp21にあるリツコの台詞
「女としては憎んでさえいた」に端を発する。ミサトに関しては父親に関するエピソードが語られているが 、
(筆者の知る限り)リツコにはない。また、リツコとその母親との大きな相違点である「母親であるか否か」 ではなく、
共通項である「女」で憎しみが生じた原因を想像しているうち、今回の伏線を思い付いたものである。
 シンジについては、「僕は・・・加持さんみたいになれたかな?」に象徴されるように、アスカの憧れで もある
加持の背中を追い続けていることを表すと同時に、Episode 4以降で孤軍奮闘するシンジの言動への布石として
いる。
 冬月については、本編の脇を固める「要職」としての役割を随所で発揮しているが、ここでは特に、
筆者がエヴァ本編で最も好きな台詞、「俺は、罪にまみれても、人が生きている世界を望むよ。」
筆者自身の座右の銘(?)である、「生きていれば何時か、生きていて良かった、と思える時が来る」
Nervを去ったゲンドウとの過去のやり取りを絡め、厳しかった過去を生き抜き、今を生きている実感を表そうと
している。


 Episode 4では物語が一気に悲壮感と緊迫感を増す。
感想でも「これから先どうなるのか」と不安の声が寄せられた。
特に衝撃が強い部分である、最後にアスカが泣きながらシンジの首を絞める描写は、劇場版を意識している。
 アスカの父親であり、本編のもう一人のオリジナルキャラであるベルベットについての「栄光」の経歴は 、
エヴァのコミック第3巻を参考にしている。
命名については一部本編と関係する個所がある。
姓に相当するストリントベルグは、実在の作家(と筆者は記憶している)ストリントベリをドイツ風に変形して生成したものである。ストリントベリは女性解放運動を憎悪した人物であり、
女性解放の「象徴」としての精子バンクを憎悪する人物とイメージさせるために命名された。
筆者としてはそれなりに思案した産物であるが、いかんせんマイナーなため、気付かれることは少なかったかもしれない。


 Episode 5と6は前後編という位置づけにある。Episode 1と2同様、目安の30kBを超過したため
分割したものである。Episode 4での急展開をどのように収束させるか、そして本編の最大のテーマであ る
アスカとその父親ベルベットの親子愛の成否をどのように展開させるかで、かなり思案した。
運悪く筆者がこの時期体調を崩して入院にまで至ったことも、大幅に発表が遅れた原因の一つである。
 メインはシンジVSベルベットの論戦である。筆者が自分の作品に討論の場面を用意することはよくあることで、
筆者の主張も直接、間接それぞれ多分に含まれる。今回もその例に洩れないが、エヴァSSという位置づけが
ある以上、
含ませる主張が前面に出過ぎるあまり、本題である「アスカとベルベットとの親子関係の成否」から逸脱 しないよう、注意を払いながら執筆を進めたつもりである
この討論に関しては「男女同権に関するテーマを含ませているのか」という
問い合わせと、「必要なのは分かるがやはり引いてしまう」という意見が寄せられた。
この件に関しては前述したとおりだが、改めて筆者の考えを要約して紹介すると、

・逆差別がまかり通ることが男女同権ならば、これは到底認められない
・精子バンク批判は上のことと関係しており、本作品の重要テーマの一つである

ということである。
 論戦となると必然的に台詞が増すが、先にも触れたように、主張が強調されるあまり作品のテンポを
落とすのでは本末転倒
ということで、面会室に存在する3名の情景、心理の描写を織り交ぜた。
面会室という閉鎖空間の中で、分厚いガラスの壁越しに対面することになった親と子の、
併せてその親子の絆を何とかして結び付けようとするシンジの心理を特に重要視した。
論戦に含まれた主張はさておき、読者が3人の目まぐるしく変化する心理と、その場面に遭遇した緊張感を
感じ取って頂けたなら、この場面で「鬼畜」とまで評されたベルベットの設定、果てはこの対面の舞台を設定した
ことは成果を見せたものと筆者は考えるものである。
 筆者が知る限り、シンジはもとより登場人物の多くは、他人と正面から向かい合い、言葉をぶつけ合った
経験が余りにも少ないように思える
。シンジがすぐに「ゴメン」と言い、アスカが他人を寄せ付けないのもその典型である。
この考えはEpisode 4の加持と大和タケシが語り合うシーンで触れている。
「以心伝心」という言葉はごく範囲の限られた社会でしか通用しないものであり、全くの他人が互いの心 理を理解するには言葉を交わすことが必要不可欠であると筆者は考える。
シンジがベルベットに執拗なま でに食い下がったのも、「アスカを護るのは自分だ」という意志は勿論、自分に非があるとすることでそれ以上他人との接触を避けていた
本編のシンジに対する筆者からの叱咤を込めている。
 余談になるが、本編のシンジやアスカに見られるような傾向は、今後一層増えるのではないかと 筆者は予想している。


No.3 まとめ

 「落書き部屋」では異質ともいえる重い展開と、直接間接問わず込められた辛辣な批判が連続する本作品を、
果たして読者はどのように感じられるだろうか。先にも触れたように、筆者が執筆を進める中でこのこと を最も不安に感じた。
幸いにして完結のEpisode 6公開後には、ひときわ多くの感想と激励を寄せて頂いた。
指摘や批判も様々な視点を知る上で非常に参考になるものであり、賛否両論を真摯に受け止め、今後の作品に生かしていく所存である。
 最後に、本作品公開の場所を提供して頂いた「落書き部屋」管理者のま〜く様、感想をお寄せ頂いた方々 、
そして全ての読者の方々に改めて感謝し、本文を終える。


・・・Thanks to・・・
・・・Mr.'Mark'(Manager of "Mark's graffiti room")
・・・All persons who sent impressions and(or) comments to writer
・・・and All readers

・・・End of Nerv Tactics Report

・・・Close file・・・


筆者後書き
 Episode 6から間隔が開いてしまいました。健康には気を付けたいものです(説得力ゼロ ^^;)。
私は後書きなどに結構凝る方でして、今回は報告書という形式でやってみましたが、いかがでしょうか。
 本文でも触れていますが、デビュー作「あるまどろみの風景」をご存知の方が多いようなので驚いていま す。
今後、別の連載や本作品の続編、企画連動ものなどで皆さんにお会いすることと思いますが、
是非今後ともご愛顧願います。m(_ _)m


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tomonori@ims.ac.jp
までお願いします。


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