新世紀エヴァンゲリオン Side Story

マヤちゃん、ふぁいとぉ!

その3 とっても素敵な夜の旅

written by Moonstone

 バララララララ。
見事な夕焼けの光を浴びながら、お馴染みNervの標章をつけたヘリコプターが、爆音を立てながら飛行している。
少々手狭な席には、彼女=白衣というイメージを誰もが認めるリツコと、彼女=着ぐるみというイメージを
見た者に強烈に植え付けるマヤが並んで座っている。
勿論、二人の服装はそれぞれをイメージさせるもの。リツコは窓際ぎりぎりで見るからに狭苦しそうだ。
というのも、怪獣は尻尾があるために普通に座れない。だから、窓を向いて逆向きに座る、
お子様が電車などでやっているような姿勢で座っているのだ。

「先輩!ほら見て下さい!凄く奇麗ですよ!」(^o^)
「・・・お願いだから、人の足の上で尻尾をぺちぺちするのは止めてくれない?」(T-T#)
「夕焼けでビルが真っ赤!まさに血の海ですね!」(^o^)

 まったく聞いてない。さらに喩えもピントがずれている。
いっそこの怪獣を血の海に沈めてしまおうかなどという物騒な考えが、リツコの頭を過ぎったがどうかは伏せておく。
 二人は出張の帰り、たまたま連絡のために本部から来ていたヘリに便乗させてもらっているのだ。
隅に追いやられた上に、ピンクの尻尾に頻繁にぺちぺち太股を叩かれるリツコは、気分を紛らわせるために外に目をやる。
夕焼けが見られる時間にNervの外を出ることが滅多にないリツコには、ありふれた夕焼けも随分新鮮に映る。

「夕焼けって・・・こんなに奇麗なものだったのね・・・。」
「もっと暗くなって夜になると、もっと奇麗ですよ、先輩!」(^o^)
「だから、尻尾をぺちぺちさせないでってばぁ。」(ToT#)

 そうこうしているうちに夕焼けは夜の星空へと変わっていく。風景は闇に彩られ、代わりに空には星の 、
地上には電灯の輝きが、時間の経過と共に散りばめられていく。なかなかロマンチックな光景だ。

「ね?奇麗でしょ?先輩!」
「そうねえ。でも、こういう風景は、恋人同士で見るのが一番よね。」
「カップルだらけの中で夜景を一人で見る空しさを良く知る、先輩ならではですね。実感篭ってますよぉ。」(^o^)
「・・・くぉら。」(--#)

 マヤには勿論、悪気など全くない。分かっているだけに余計にリツコは辛く、悲しい(^^;)。
まあ、リツコが空からの夜景に心引かれたのは間違いない。
座席の殆どを占領する怪獣との同席からの現実逃避では決してない。・・・多分(^^;)。

「・・・出来たらこういう風景は、仕事とは無関係に観たいものね。」

 ぽつりと呟くリツコ。しかし、怪獣の耳はそんな三十路女の黄昏の呟き(お黙り(--#))をしっかりキャッ チする。
怪獣の顔がリツコの方を向く。見慣れているとはいえ、間近に迫られるとちょっと怖い。

「先輩!そんなに夜景が観たかったんですか?」
「あ、聞こえてたの?まあ、こういう奇麗なものならまた観たいなぁって・・・。」
「分かりました!私、先輩のために素敵な夜の旅を用意しますね!」(^^)
「いや、あの、そんなつもりじゃ・・・。」(^^;)
「任せて下さい!きっと先輩が一生忘れられない旅をプレゼントします!」(^o^)

 マヤはにこやかに、そして真剣に宣言する。こういう表情が出来るマヤが羨ましく思う。
可愛い後輩の折角の好意に甘えてみようかな、と思う一方、どうしても不安が生まれる。

駄目よリツコ、疑うなんて。マヤが今までとんでもないことをしでかしたことがある?

・・・相当ある(^^;)。身に覚えも・・・かなりある(^^;)。

いやいや、悪気も自覚も何もないのに、この娘がそんな事をすると思う?

・・・思う(^^;)。どちらかというと、確信に近いぞ(^^;)。
 早くも脳みそをフル回転させて方法を考えているピンクの怪獣と、期待と不安に頭を抱える白衣の金髪 。
二人(?)を乗せたヘリの視界に、Nervのヘリポートが入って来た。


 それから数日後。
エヴァの機動実験を終えて自室に戻って来たリツコに、Eメールが届いていた。

「先輩へ。今日の夜、とって時の夜の旅をプレゼントします。正面玄関で待ってます。 マヤより。 」

 文面を見て、数日前たまたま便乗させてもらったヘリでのやり取りを思い出すリツコ。
忙しさゆえ、すっかり記憶の片隅に追いやられていた。

「あの子・・・私のために本当に・・・。」(T_T)

 思わず目頭を抑えるリツコ。目を瞬かせた後、いそいそと身支度をする。
普段ならまだ研究の続きに没頭するか、その前に腹ごしらえをする時間だが、今日ばかりはそう言うわけにはいかない。
自分の呟きを現実にしようとしてくれている、可愛い後輩を待たせるわけにはいかない。
白衣を脱いでロッカーに仕舞い、愛用の猫のワンポイント付きのハンドバックを持ち、
コンピュータの電源を落とすと、一目散に自室を飛び出す。

「あらリツコ。そんなに急いでどうしたの?」
「今日は用事があるの。それじゃ!」「(;-o-)」

 取ってつけたような返事を残して全速力で走り去っていくリツコを見て、ミサトは首を傾げるしかなかった。

「リツコがこんな時間に帰るなんて。まさか・・・デート?!・・・なわけないか。」

 首を頻りに捻りながら随分なことをいうミサト。自分のことも心配しよう(何っ?!(--#))。

 正面玄関まで全速力で走って来たリツコは、柱に凭れて夕日を見詰める怪獣を見つける。
怪獣はマヤ曰く「通勤着」兼「正装」だ。今日のためにまさに「正装」を来てきたのだろう。
今のリツコには、日頃頭痛の種になっている怪獣もマヤの真心の表れとしか思えない。

「マヤ、お待たせ。」
「先輩!メール読んでくれたんですね?」
「勿論よ。本当に私に夜の旅をプレゼントしてくれるなんて・・・嬉しくって・・・。」(T_T)
「いいんですよ。普段色々お世話になってますから。」(^o^)

 怪獣の口の奥から屈託のない笑顔を見せるマヤ。リツコは胸が熱くなる。

「じゃあ、私について来て下さいね。」

 マヤはずんぐりしたピンクの身体を揺らして歩き始める。リツコはそれについて行く。
いつもはリツコが先を歩き、マヤがそれについて来るのだが、今日はマヤがリードする番だ。
 きゅっぽ、きゅっぽ、きゅっぽ、きゅっぽ。
独特の足音が夕焼けの町中にこだまする。帰宅途中の人々が否応無しに注目するが、二人はお構い無しに歩いて行く。
普段のリツコなら頭を抱えるか他人の振りをするかするところだが、今日はむしろ怪獣を誇らしく感じてしまう。
 きゅっぽ、きゅっぽ、きゅっぽ、きゅっぽ。
怪獣はとある高層ビルに入って行く。リツコはあれっというような顔をする。
飛行機がある空港かヘリポートではなくて、何故普通の高層ビルなのだろうか。
まさか、チャーターしたヘリを特別に着陸させるのだろうか。
まあ、公用のヘリを私用で使ったとなると、あとあと問題が起こるだろうが、随分お金をかけたものだ。
リツコは色々考えるが、ひとまず疑問を奥に引っ込めて、マヤについて行く。
 怪獣とその上司は人々の注目の中、エレベーターに乗る。
マヤは迷わず「R」(屋上)のボタンを押す。独特の吸い上げられるような感触の後、エレベーターの数字が増え始める。
二人はじっと数字を見詰める。大抵の人が経験あるだろうが、エレベーターではよくある光景だ。
時々、下に吸い込まれるような感触がしてエレベーターが止まるが、開いた瞬間、乗ろうとしていた人が
一様に驚いて後ずさりするか、呆然と立ち尽くすかで、乗ってこようとはしない。
 そうこうしているうちに、エレベーターは屋上に到着する。
エレベーターが開くと二人は外に出る。複数のオフィスが入っているビルということもあってか、
だだっ広いコンクリートの平面が広がるだけの殺風景な景色だ。
道路を歩いている時には分からなかったが、屋上では結構風がある。
夕焼けは東半分ほどが藍色に塗り潰されてきている。本格的な夜の訪れももうすぐだ。

「マヤ。ヘリは何時来るの・・・って、何してるの?」

 リツコが振り向くと、怪獣は指を加えて空気に翳している。

「・・・うん、天気もいいし、風も適度にあって、オッケーね。」(^^)
「・・・その指、感覚があるの?じゃなくて、何してるの?」(^^;)
「え?今の気象状況を今一度点検してるんですよ。夜のフライトは微妙ですからね。」(^^)

 気象状況の点検はパイロットがすることなのに、やはり気になるのだろうか。
今日新たに、怪獣の指には感覚があることが判明した(*o*)。怪獣の謎は膨らむ一方だ。
 程なく空は夜一色に染められた。リツコはヘリが来るのを今か今かと待ち侘びる。
その一方、マヤが持ってきた鞄を開けて、名にやらごそごそと取り出し始める。
鞄から出てきたのは・・・暗くてよく見えないが、布(?)、ラジカセ、何かの箱、ロープ。
何故ヘリに乗るだけなのにこんなものが必要なのか分からない。それにヘリは一向に来る気配がない。
リツコの頭の中で疑問と不安が一気に膨らみ始める中、マヤは何かごそごそやっている。

「ね、ねえマヤ。ヘリは何時来るのかしら?」(^^;)

 取り敢えず平静を装うリツコ。だが、額から嫌な汗が流れるのを押さえ切れない。

「よし、準備 完了!先輩!今から始めますよ!」(^o^)
「は、始めるって、ヘリはまだ・・・。」
「ヘリ?そんなもの呼んでませんよ。」
「え?!」
「私が空を飛ぶんですよぉ。先輩と一緒に。」(^o^)

 リツコの心を猛烈な突風が吹き抜けたような気がした。

「・・・い、今、何て・・・?」(--;;)
「大丈夫です、先輩!今日のために特殊装備を用意したんですから!」(^o^)

 マヤは後ろに手を回して、何かのスイッチを押す。すると・・・
背びれが光り始めた。ただ光るだけではない。
一つおきに交互に光って、それを数回繰り返して、上から順番に光っていって一斉に点滅する。この繰り返し。
パチンコなんかで目にするネオンの輝きにありそうなパターンだ。
リツコはがっくりと跪く。よく見ると、怪獣の胴体に、一定周期で点滅を繰り返す
クリスマスツリーに付けるようなランプがあちこちに付いている。
赤や緑に輝く様は、夜間飛行をする飛行機そのものだ。

「何で・・・それが特殊装備なのよ。」(ToT)
「大丈夫です!ランプは全部LEDですから、消費電力が少なくてバッテリーも長持ちしますよ!」(^o^)
「お願いだから人の話聞いて。」(ToT)
「これだけじゃありません。見て下さい!」

 マヤがばっと両手を広げると、赤と黄色のストライプ模様のド派手なマントが広がる。
ちゃんと手足の先で紐で括り付けられている。だが、蝶結びだ(^^;)。
あの指でどうやって括り付けたのかは謎だ。そういうことにしておこう(^^;)。

「それでどうしようって言うの?」(ToT)
「特別製のマントですから、防水、抗菌、耐火の全てに優れてます。安心して空を舞えますよ!」(^o^)

 マヤは当然のように言う。やっぱり本人には全く悪気はない。
リツコは両の目からどっと涙を流す。気持ちは痛いほど分かる。抗菌はどうでも良いが、耐久性はどうなんだ。
マヤはささっとリツコの背後に回り込み、ぷっくらしたおなかをリツコの背中に押し付ける。
ぺたっという妙な感覚を感じたリツコは慌てて逃げ出そうとするが、何故か離れない。

「あ、あれ?くっついて離れない?!」
「接着剤をおなかに塗ったんです。これで私と先輩は一心同体ですよ!」(^o^)
「そ、そんなぁ・・・。」(ToT)

 リツコはただ号泣するばかり。服を脱いで「脱出」しようにも、カッターシャツ1枚ではどうしようもない 。
怪獣との「飛び降り」(^^;)か下着姿で逃げるか、最悪の二者択一とはこういう事を言うのだろう。

「じゃあ先輩。シートベルトを着けてくださいね。」

 マヤはそう言って背後からリツコに何かを差し出す。それは・・・一本のロープ。
それも頑丈そうな縄ではなくて、古新聞を縛る時に使うような、いかにも「ビニール」というタイプのものだ。

「それでどうしろって言うの?」(ToT)
「ロープの長さは余裕を持ってますから、二重に巻けますよ。」(^^)
「・・・もう嫌。」(T^T#)

 リツコはあふれる涙を拭うことなく、ロープ(というより紐)を結わえる準備をする。
どうやらリツコは、命の危険より恥じらいを取ったようだ。
というより、動揺のあまり、思わずフライトを選んだと表現した方がいいかもしれない。
 10分ほどでリツコは「シートベルト」を着け終えた。二重に巻きつけて念入りにこま結びにしてある。
せめてもの慰めか、それとも最後の悪あがき(をい(^^;))か。

「うう・・・。まさかこんな形で人生最後の日を迎えるなんて・・・。」(T^T)
「飛ぶ前からそんなに感動されると照れくさいじゃないですか。」(*^^*)
「人の話を聞けぇ。」(ToT#)

 それは今更無理な相談というものだよ、リツコ。
マヤはよいしょっと立ち上がる。つられてリツコも立たされる。
リツコをおなかにくっつけたまま、怪獣は後ろに下がる。
助走の勢いで「ばっ」と飛び降り、もとい、飛び立つつもりなのだろう。

「先輩。これからの夜のフライトにふさわしいBGMを用意してあるんですよ。」(^^)
「び、BGM・・・って?」
「まあ、聞いてください。」

 リツコは背中に手を回して手探りで別のボタンを押す。いきなり大音響でイントロが始まる。

ちゃんちゃらん ちゃららちゃんちゃらん
ちゃらら ちゃんちゃらん ちゃららちゃんちゃらん

そーらをとぶ、まーちがとぶ、くもーをつきぬけ、ほしになる

「こ、これって・・・」(--;)
「はい!沢○研○のト○オです!ぴったりでしょ?」(^^)

 そうだ、流れてくる音楽は確かにそれだ。リツコも以前、聞いたことがある。だが決定的に違うものが二個所ある。
バックの演奏がギターだけであることと、歌い手の声が明らかに違う。

「こ、この声は・・・もしかして・・・。」
「はい!歌っているのは碇司令です!ちなみに演奏は青葉君ですよ。コーラスもやってます。」(^o^)
「ど、どうして?!」(*o*)
「先輩の心を和ませるためにって二人に頼んだら、気軽にやってくれたんですよ。」(^o^)

 あの髭オヤジにロン毛野郎〜!と、リツコは心の中で絶叫する。
確かに歌も演奏もそれなりに上手いが、今の状況下にあるリツコには、葬送行進曲にしか聞こえない。
バリバリのギターサウンドに乗った、ゲンドウのあの低音ボイス。
落ち込んだ気分を更に滅入らせ、精神汚染を引き起こすには十分すぎる。
 コーラスをやってる青葉の声がゲンドウの声と見事にシンクロしている。
リツコには、死者を地獄へ誘う死神の呼び声に聞こえて仕方が無い。

「さあ!準備万端!行きますよ〜!」(^o^)
「お、お願い!止めてぇ〜!」(ToT)

 マヤはただ「先輩のために、先輩と一緒に空を飛ぶんだ!」としか思ってない。
リツコはそんなこと十分すぎるくらい分かっている。だから泣いて喚いて思いとどまらせるしかない。
しかし、そんなリツコの悲痛な叫びなど聞いちゃいないマヤは、おなかにリツコをくっつけて全速力で走り出す!
 きゅっぽ、きゅっぽ、きゅぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽ、きゅぽぽぽぽぽ!
短い足をフル回転させて、マヤは走る。リツコの涙が後ろになびく。
大きくジャンプしてフェンスに飛び乗り、ばっとマントを広げて怪獣が空へ舞い上がる。
派手な電飾と大音量のBGMをバックに、怪獣はすいーっと空を滑るように飛んでいく。

「ひえ〜!た、助けてぇ〜!」(ToT)
「先輩、見てください!凄く奇麗な夜景ですよ!」(^o^)

 今のリツコに夜景を見ることを勧めるのは、無理というものだぞ。
だが、マヤからはおなかにくっつけられたリツコの表情など見えるはずがない。
もっとも見えたところで、「先輩、泣くほど感動しなくても」というのがオチだろう。
 夜の街を行き交う人々や仕事中のオフィス、或いは一般家庭は、頭上から響く大音響のBGMに驚いて空を見上げ、
チカチカ点滅を繰り返す色とりどりの光に思わず注目する。
さらに、たまにぽつぽつと落ちてくる水滴に、天気雨かと首を傾げる。
大音響のBGMに混じって、時々「た〜す〜け〜て〜!」とか「お〜ろ〜し〜て〜!」とかいう悲鳴が微かに聞こえてくる。
 怪獣は優雅に空を滑り、別のビルに着地する。
そこで終わるかと思いきや、再び助走を始めて再び空へ飛び上がる。
勿論、リツコは怪獣のおなかに貼り付けられたままだ。

「さあ、先輩!夜のフライトはまだまだこれからですよぉ!」(^o^)
「お願いだから、降ろしてぇ〜!」(ToT)

 その後、夜空に大音響をぶちまける謎の飛行物体に対する問い合わせと苦情が、警察や役所に殺到したそうな。

〜赤木リツコ博士、30歳。極度の疲労と重度の精神汚染のため、1ヶ月入院〜


 退院したリツコは、まっしぐらに司令室へ向かう。
司令室ではゲンドウが両手を顎の下で組んだ、いつものポーズで座っている。

「おお、赤木博士。退院したのか。」
「・・・ええ。おかげ様で。」(^^##)

 リツコの額にいくつもの青筋が走るが、表面上はいたって平静を装う。
重度の精神汚染を引き起こしてくれた声の主の一人に、リツコは「とっておき」の話を持ち掛ける。

「司令。ちょっといい話があるんですが。」
「何かね?」
「司令は一月ほど前に、マヤに頼まれて歌を歌われましたよね?」
「ん?・・・ああ、空を飛ぶのにふさわしい曲を、というんでな。青葉二尉が演奏を頼まれたとか言って、
相談の結果、私の知っている自慢のなつメロを一緒に歌った次第だ。」

 赤木リツコ、表情こそ普段のままだが、額の至る所に青筋が浮かんでいる。

「・・・それでですね、マヤがそのお礼ということで、夜のフライトにご招待したいとのことです。 」
「ほう?夜のフライト?」
「ええ。是非にと。それも・・・二人っきりで。」
「・・・フム、問題ない。」

 ゲンドウもやはり普段どおりの無表情だが、内心はまったく違う。
『フフフ。若くて可愛い女性職員が私を夜のデートに誘うとは。私の渋さが評価されているということか 。』
などと都合の良いように解釈して、ニヤリと笑っていたりする。
勿論、内心ニヤリと笑っているのはリツコも同様だ。

その後、立て続けにゲンドウ、青葉が極度の疲労と精神汚染で生死の境をさ迷ったこと は言うまでもない。


後日談
マヤ「先輩。今度はジェットエンジンを搭載できるように改造したんですけど、一緒に大空を飛びませんか?」(^o^)
リツコ「遠慮させてもらうわ。」(--#)
マヤ「あ、そうだ。モモンガでスカイダイビングするんですけど、一緒にどうですか?」(^o^)
リツコ「だから遠慮させてもらうってば。」(--##)
マヤ「また先輩と一緒に大空を飛びたいんです。その気になったらいつでも言ってくださいね。」(^o^)
リツコ「・・・今度はヘリかセスナ機をチャーターしてね。」(T_T)


筆者後書き

 長期連載を終えたMoonstoneです。このSSは夜帰宅する途中、
チカチカ光を点滅させながら飛行する飛行機を見て、
これは怪獣ネタに使える(^^;)と思って仕上げたものです。
ちなみに筆者は、飛行機にもヘリにも乗ったことはありません(^^;)。
 他の拙作の雰囲気と全然違う、本当に同一人物か?と思われるかもしれませんが、
間違いなく同一人物 の作品です(^^;)。


Moonstoneさんへの感想メールをお願いします!
tomonori@ims.ac.jp
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