新世紀エヴァンゲリオン Side Story

マヤちゃん、ふぁいとぉ!

その4 怪獣の華やかなデビュー?! 後編

written by Moonstone

ぺしっ、ぺしっ、ぺしっ、ぺしっ。
ひうっ、ひうっ、ひうっ、ひうっ。

 リングではピンクの怪獣−中身は勿論マヤ−が、反正規軍のレスラーを引き続き尻尾で鞭打ちしている。
どういう構造なのかは不明だが、一発一発は相当効いているらしい。
尻尾鞭打ちされるレスラーもどうにか逃げ出そうとするが、それもままならない様子だ。

「おーっと!怪獣の強烈な尻尾の鞭打ちが効いているようだぞ!」(-o-)/
「これはいけませんねぇ。そろそろ逃げないと危ないですよ。」(-_-)

 いや、逃げようにも逃げられないんだって。
見かねた仲間のレスラーがロープから飛び出そうとする。自力では脱出できないと判断したのだろう。
マヤがそれに気付いてレフェリーに告げる。

「そこの縞縞模様の服を着たおじさん!変な人が出てこようとしてます!」

 レフェリーはちょっと心に引っ掛かるものを感じつつも、反正規軍のレスラーを制止する。
何時の間にやら、レフェリーを巧みに利用する技を体得したマヤ。恐るべし。
そんなマヤをリングサイドから見詰める先輩のリツコ(い、言わないでくれる? --;)。
マヤを連れ出すことが周囲の状況から無理だと悟ったリツコは、はらはらしながらリングを見詰めている。
まさに、「レスラーになった我が子を見詰める母」の心境といったところか(だから言わないでってば --#)。
 リツコの正拳突きを顔面に食らった加持が起き上がって来る。
白熱且つ和やかな(^^;)リング上より一足早く、流血シーンを実演しているのはリツコが原因である(前編を見てね)。

「あら、加持君。何やってるの?」
「リ、リっちゃん。そりゃないぜ。」(--;)

 鼻を押さえる手の間からどくどくと血が流れる加持を見るリツコの目は冷たい。
コーナーの反正規軍レスラーの一人がレフェリーと押し問答している中で、もう一人のレスラーが何やら目配せする。
すると、セコンドに就いていたお揃いのTシャツを着たレスラーが走り出す。
そしてマヤの尻尾鞭打ちを食らい続けているレスラーのタイツと腕を引っ張り、場外に引っ張り出す。

「おーっと!セコンドの一人がレフェリーの隙を突いて救出したぞぉ!」(-o-)/
「こういう連携が巧いんですよね、反正規軍は。」(-_-)

 怪獣はぺちぺち動かしていた尻尾から、急に手応えがなくなったのに気が付いて後ろを振り向く。
尻尾にもちゃんと感覚があるようだ。恐るべし。
忽然とレスラーが消えているのに驚いて、きょろきょろと辺りを見回す。

「ど、何処行っちゃったの?」(-o-;)

 マヤは迷子のように辺りを見回すが、何処にも見当たらない。
徐にロープの方を向いてリング下を見ると、そこに尻尾鞭打ちを浴びせていたレスラーとセコンドを見つける。
レスラーは相当ダメージを受けたらしく、セコンドの叱咤にも反応は鈍い。
マヤはレスラーとセコンドに声を掛ける。

「あ、あのぉ、大丈夫ですかぁ?」(-o-;)
「誰のせいだと思ってやがるんだ!」(`o'#)
「酷い!私のせいみたいに言わないで下さい!」(-o-#)
「てめえ、自分でやったくせに何寝ぼけたこと言ってやがる!!」(`o'##)
「人に責任を擦り付けるなんて良くないですよ!」(-o-#)

 今度はマヤとセコンドが押し問答を始めてしまう。
しかし、双方の言葉はまったく噛み合っていない。
反正規軍を制止していたレフェリーが、今度はマヤの所へ走る。
それと同時に、レスラー二人がリングに飛び出して、背中を向けているマヤ目掛けて走る。

「マ、マヤ!後ろ!」
「あ、先輩の声だ。」(^^)

 これだけの歓声の中でもリツコの声を聞き分けたマヤは、セコンドとの押し問答を打ち切って「先輩」の姿を探す。
その時、反正規軍のレスラー二人がマヤ目掛けてドロップキックを繰り出す。
背後から不意を付かれた怪獣は、ロープを乗り越えるように場外に弾き出される。
空中で一回転した怪獣の落下地点には、押し問答をしていたセコンドと救出されたレスラーが・・・。

ぷちっ

 嫌な音が場内にこだまする。
怪獣が短い手足を使ってようやく起き上がった時、その下にはひくひくと痙攣するレスラーとセコンドが横たわっていた。

「これは大変なことになった!怪獣を場外に蹴り飛ばしたら味方を巻き込んでしまったぞ!」(-o-)/
「いけませんねぇ。周囲の状況をよく見ないと。」(-_-)

 そりゃ無理ってものだ。反対側に居たんだから。
マヤは足元の悲惨な状況(^^;)を見て愕然となる。
反正規軍のレスラー二人が、レフェリーを振り切って場外に降りて来る。
それまでリングを照らしていたスポットライトが、一斉に場外を照らす。この辺の演出は心得ている。

「よっしゃー場外乱闘だぁ!気合入れて行けよ!」(`o'#)/←ミサト
「流血がなきゃ、プロレスじゃないんだからね!」(`o'#)/←アスカ
「ふ、二人とも・・・お願いだから落着いてよぉ・・・。」(T_T)←シンジ
「・・・(ぱくぱく、もぐもぐ)。」←レイ

 場外乱闘の様相にさらに興奮して立ち上がるミサトとアスカ。
半分泣きが入りながら二人を宥めようとするシンジと、相変わらずポップコーンを頬張るレイ。
場外乱闘を見る観客の目は様々だ。

「流血ならとっくに加持君がやってるのにね。」(-ー-)
「リっちゃん、その笑いは止めてくれ。」(--;)

 場外に降りて初めて同士討ちしてしまったことに気付いたレスラーは、ちょっと動揺する。
怪獣はレスラー二人と足元の状況を交互に見て、一つの推論を口にする。

「貴方達!味方までやっつけるなんて、本当に見境がないですね!」

 痛いところを突かれたレスラーは、怪獣の口を封じよう(^^;)と襲い掛かる。
二人で怪獣の両腕を捉え、鉄柵(観客席と場外乱闘の場を分ける柵)に振る。
きゅぽきゅぽきゅぽきゅぽ。
緊迫感を削ぐ足音と共に、怪獣は鉄柵の方へ少々前のめりになりながら走る。
ちょうど、リツコ達が居る席の前にある鉄柵の方だ。
 ガシャンと鉄柵がぶつかり合う激しい音がするが、怪獣は直ぐに起き上がって向きを変える。
ふかふかの身体がクッションになるので、鉄柵攻撃は効果がないようだ。
リングサイドの観客が、間近に立つ怪獣の身体に触れて柔らかさを堪能する。
怪獣はファンサービスも怠らない。

「もう!いきなり何するんですか!」(-o-#)

 怪獣がぺちぺちと尻尾で床を叩く。
怒りを表現しているのだが、しかしよく動く尻尾だ。
堪りかねたレスラーの一人が、近くの観客席から強引にパイプ椅子を手に取って身構える。

「さあ!観客席からパイプ椅子を奪ったぞ!」(-o-)/
「凶器攻撃ですね。これならダメージが期待出来るんじゃないですか?」(-_-)

 ま、見てみましょう。
レスラーは雄叫びと共に、怪獣の胴体にパイプ椅子を突き出す。

ぼふっ

 胴体にパイプ椅子がめり込んで弾き返され、全く効果はない。
次は肩口にパイプ椅子を振り下ろす。

ぼふっ

 これもやっぱり拍子抜けするような音を立てるだけで、全く効果はない。
とうとう脳天目掛けてパイプ椅子を振り下ろす。

ばんっ

 音が違う。布団を布団叩きで叩いたような音だ。
どうやら脳天の方はふかふかの装甲(?)が薄いようだ。
怪獣は変わらぬ笑顔で頭に両手を回す。
見た目にはおどけて挑発しているように見えるが、内臓の方はちょっと涙ぐんでいる(^^;)。
 ようやく弱点らしいところを見つけたレスラーは、調子に乗ってパイプ椅子を怪獣の頭に振り下ろす。
もう一人は、カウントを取って制止しようとするレフェリーに言い掛かりを付ける。

「おーっとぉ!怪獣がパイプ椅子でめった打ちだ!」(-o-)/
「これは効いているようですね。動きが止まりましたよ。」(-_-)

 パイプ椅子で殴られて平気な方が珍しいのだが。
劣勢に回ったマヤに、リツコは思わず立ち上がる。

「しっかりマヤ!このままじゃやられて食べられちゃうわよ!」(-o-;)
「く、苦しい・・・。」(-_-;)

 動揺したのもあってか、リツコの両手は加持の襟首を掴み、激しく前後に振っている。
バシバシとパイプ椅子で乱打される怪獣は、その場に座り込んで頭を押さえながら耐える。

「うう〜酷いです!凶器攻撃なんて!」
「オラオラ怪獣!その中身引き摺り出してやるからな!」
「や、やっぱりあのレスラー、マヤを食べちゃう気なんだわ!」(-o-;;)
「く、苦しいって、リっちゃん・・・。」(T_T)

 観客から怪獣コールが再び湧き起こる。
怪獣は頭を押さえながらゆっくりと立ち上がる。
レスラーが止めの一撃とばかりに大きく振りかぶった瞬間!

「えーい!!」

 内臓からの掛け声と共に、猛烈な勢いの火炎が怪獣の口から吐き出される。
その勢いは火炎放射器を超えて、巨大なバーナーのそれだ。
レスラーは避ける間もなく炎に飲み込まれる。
 怪獣が炎を吐くのを止めると、全身黒焦げ、髪はアフロのレスラーが立ち尽くしている。
やっぱり黒焦げになったパイプ椅子を握ったまま、黒い煙を立ち昇らせながらゆっくりと後ろへ崩れ落ちる。
 場内は騒然となる。まさか、ピンクの怪獣が火を吐けるとは思っていなかったようだ。
レフェリーも、それを制止していた反正規軍のレスラーも、ただ呆然。
口をぽかんと開けていたアナウンサーが、ようやく我に帰ってマイクを握る。

「こ、これは凄い!何と怪獣が本物の火を吐きましたぁ!」(-o-;)/
「こんな能力を持っていたとは、思いもしませんでしたね。」(-_-;)
「マヤったら。あれほど人に向って火を吐いちゃ駄目って言ったのに。」(--#)
「そういう問題じゃないだろう、リっちゃん。」(--;)

 無駄だよ加持。リツコは動揺してるんだから。
アナウンサーの絶叫で気を取り直した反正規軍の最後の一人が、額に青筋を浮かべて怪獣に向って怒鳴る。

「てめえ!火吐くなんて反則じゃねえか!!コラァ!!」(`o'#)

 レスラーの言うことはもっともだ。
怒りが収まらないのか、レフェリーに反則負けを告げるように「脅迫」するレスラーに、
怪獣マヤはびしっと手を突き出して叫びかえす。

「怪獣が火を吐いて、何がおかしいんですか!」(-o-#)

 場内から拍手と怪獣コールが湧き起こる。どうやら観客は怪獣の主張に賛成しているらしい。
というより、その方が面白いからだろう。
こんな面白い一戦を、反則負けで終わらせては勿体無い。そういう心理もあるようだ。

「そうだそうだぁ!ものを吐かない怪獣なんて怪獣じゃなぁい!」(`o'#)/←ミサト
「ス○シ○ム光線とか、放○能○線じゃないだけ、有り難いと思いなさいよ!」(`o'#)/←アスカ
「そ、そんな無茶苦茶な・・・。」(T_T)←シンジ
「・・・(ぱくぱく、もぐもぐ)カッコイイ。」(-_-)←レイ
「ええっ?!」(*o*;)←シンジ

 ポップコーンを食べながら衝撃の発言を洩らしたレイ。
火を吐くところを間近で観て、何か思うところが在るようだ。
 レフェリーは反正規軍レスラーの猛烈な抗議(というか脅迫)と怪獣の主張を天秤にかける。
他のお揃いのTシャツを着たセコンド集団も詰め寄る中、レフェリーは判断を下す。

「ノ、ノーカウント、ノーカウント。」(--;)
「何でだ、てめえ!」(`o'#)
「火を吐くのが反則じゃねえって言うのか、コラァ!」(`o'#)
「か、怪獣の主張は理にかなっている。」(-o-;)
「寝ぼけてるんじゃねえぞ!即座に反則負けにしねえか!」(`o'##)
「命要らねえのかぁ!」(`o'##)

 実はレフェリーも予想外の怪獣の攻撃方法に動揺しまくっている。
一斉にレフェリーに詰め寄る反正規軍に向って、怪獣は大きく息を吸い込む。

「おーっとぉ!怪獣が深呼吸しているぞぉ!怪獣ブレス(勝手にネーミングした)がまた見られるかぁ?!」(-o-)/
「早く逃げないと、反正規軍は危ないですよ。」(-_-)

 食らったら丸焼けにされるんだから、危ないどころではない。
怪獣は大きく開いた口から、もう一回紅蓮の炎を吐き出す。
リングに上ろうとしていた反正規軍のセコンド集団が、ぼーっという音に気付いた時にはもう遅い。
一番奥に居たレスラーと、射程距離外に居たレフェリーは間一髪難を逃れたが、セコンド集団は炎に飲み込まれる。
炎が消えた後には、ぼろぼろのTシャツ、アフロの髪、全身黒焦げの一団が呆然と立ち尽くしていた。
一人が口から煙を吐くと、一斉にバタバタと倒れていく。
 セコンド集団を一掃されて最後の一人になった反正規軍のレスラーは、どっと冷や汗が流れるのを感じる。
あれこれ策を練った後、場外に降り立って怪獣と向かい合って言う。

「しょ、勝負はリングの上でつけようじゃねえか。」(--;)

 やっぱり炎を食らいたくはないので、正攻法で闘おうと持ち掛ける。
怪獣マヤは笑顔でこくこくと頷く。マヤは純粋なのだ(^^;)。
レスラーは怪獣に潰されて痙攣しているレスラー(試合権はこの人が持っている)を引っ張りだそうとして、怪獣に言う。

「ちょ、ちょっと手伝ってくれねえか?こいつから試合権を貰わなきゃならねえ。」

 場外でのタッチは無効なので、一旦試合権を持つレスラーをリングに上げようというのだ。
怪獣はまたこくこくと頷いて、レスラーに手を貸す。
怪獣は人助けを怠らないのだ(^^;)。
 思わぬ「共同」に会場から拍手が起こる。
どうにか試合権を持つレスラーをリングに戻すと、最後の一人となったレスラーはその手にタッチして試合権を得る。
怪獣は短い手足をじたばたさせて、どうにかリングに戻る。
再びスポットライトがリングを照らし、間合いを取ったレスラーと怪獣が向かい合う。

「派手にやれ派手に!これがプロレスの醍醐味だぁ!」(`o'#)/←ミサト
「助けが欲しかったら、何時でも呼びなさいよ!毎日練習してるんだから!」(`o'#)/←アスカ
「僕を実験台にするの、止めてよ・・・。」(T_T)←シンジ
「・・・(ポップコーン、もう無いのね)。」(-_-)←レイ

 レフェリーが試合再開を告げると、レスラーが怪獣に飛び掛かり、その腕を掴んでコーナーポストに振る。
きゅぽきゅぽきゅぽきゅぽ。
またまた愉快な足音と共に怪獣はコーナーポストに激突する。でも直ぐに向きを変える。
レスラーが腕を水平にして猛然と突っ込んで来る。ラリアートを仕掛けるつもりのようだ。
しかし、怪獣はロープを掴んで短い両足を前に突き出す。
急停止も間に合わず、レスラーは巨大な怪獣の両足に体当たりして弾き飛ばされてしまう。
 歓声の中、怪獣はレスラーの腕を取って立たせ、同じ様にコーナーポストに振る。
レスラーはコーナーポストに激突するが、怪獣と違ってダメージが蓄積される。
怪獣は笑顔で突進する。哀れ、レスラーはコーナーポストと怪獣のお腹に挟まれてしまう。
ぐったりとなったレスラーの頭を掴み、きゅぽきゅぽと走ってジャンプして、レスラーを顔面からリングに叩き付ける。

「これは凄い!ピンクの怪獣、流れるような連続技だぁ!」(-o-)/
「いやあ、見事ですねえ。」(-_-)

 一体何処で覚えたのか知らないが、レスラーは起き上がることが出来ない。
怪獣は両手を高く掲げて宣言する。

「いきまーす!」(^^)

 場内へのアピールも怠らないし(^^;)
怪獣はロープに手足をかけてトップロープによじ登る。
いよいよフィニッシュか、と場内の興奮がピークに達する。

「さあ!怪獣がトップロープに登ったぁ!」(-o-)/
「これはチャンスですよ。」(-_-)
「一気に決めなさいマヤ!日頃の訓練の成果を発揮する時よ!」
「Nervでプロレスの訓練なんてしてないんじゃ・・・。」(--;)

 だからね加持。リツコは動揺してるんだって。
怪獣はトップロープから両手を広げて笑顔で大きくダイブする。
迫り来る黒い影に気付いて上を向いたレスラーに、ピンクの物体が降って来た・・・。

ぷちっ

 怪獣の全体重を乗せたダイブが決まった。
レフェリーは走り寄ってカウントを取る。
場内もレフェリーの手の動きに合わせてカウントを斉唱する。
勿論、Nerv御一行様(シンジとレイは除く)も斉唱に加わる。

ワン、トゥー、スリー!

 ゴングが何度も打ち鳴らされる。観客が総立ちになって拍手と歓声を送る。
立ち上がった怪獣はレフェリーに片腕を掲げられて、勝利を宣言される。

「やったぁーっ!」(^o^)

 マヤは上に向けて喜びの炎をぼーっと吐く。また別の方を向いてぼーっと炎を吐く。
紙テープが何本も舞い、フラッシュが間髪入れずに焚かれる。

「やりましたピンクの怪獣!乱入して反正規軍を一掃したぞ!」(-o-)/
「実に素晴らしい勝負でした。一体何者なんでしょうね。」(-_-)
「よーし!よくやったぞ怪獣!」(^o^)/←ミサト
「ま、あたしのサソリ固めには負けるけどね。」(-_-)←アスカ
「もっと僕のこと大事にしてよぉ・・・」(T_T)←シンジ
「・・・(ポップコーン、もっと食べたい)。」(-_-)

 場内に湧き起こる怪獣コール。それに応えて火を吐く怪獣マヤ。
リツコはほっと胸を撫で下ろし、椅子に腰掛ける。
リング上のマヤを見詰めるその瞳は、「我が子の成長に目を細める母親」である(う、五月蝿いわね --;)。


 翌日のNerv司令室。
相変わらず意味も無く暗く、だだっ広い部屋の中央に座するゲンドウは、一部の新聞を机の前に放り出す。

「碇。何だそれは?」
「今日の第三新東京スポーツだ。読んでみろ。」

 ゲンドウがこの新聞を買っているのは、中程のエッチなコーナーが目当てである事を、冬月は知っている。
冬月が新聞を手に取って一面を見ると、大々的な見出しが躍っている。

謎のピンクの怪獣、反正規軍を一掃
インディーズの策略か?
新団体旗揚げの可能性も

 勿論、勝ち名乗りを上げつつ火を吐くピンクの怪獣が、でかでかとカラー写真に写っている。

「・・・。」(--;)
「次の面も読んでみろ。」

 唖然としていた冬月は、言われるままに一枚捲る。
すると、白黒の写真に見覚えのある人物が写っていて、小見出しが並んでいる。

場内大乱闘!レスラー相手に大暴れする謎の美女軍団
引き摺り出されようとした怪獣救出に、突如会場から乱入
強烈な技の連続に負傷者続出
新世界女子プロレスなどは関連を否定

 写真には、パワーボムを仕掛けるミサト、サソリ固めを決めるアスカ、首締めをするリツコが見事に写っている。
ちなみにリツコの爪は、レスラーの首に食い込んでいる。

「・・・。」(--;;)
「・・・使える。」(-ー-)
「い、碇?!」(--;;)

 特務機関Nerv。その財政状況ははっきり言って火の車。
ゲンドウの思い付きを悟った冬月は、猛烈に嫌な予感を覚える。
その予感が現実になったかどうかは知らない。
ただ言えることは、シンジと加持に生傷が絶えないこと、
そして、「桃色伝説」と書かれた派手なガウンを羽織ってNervを闊歩するピンクの怪獣が
しばしば目撃されるようになったことだけである・・・。

〜おしまい〜


 後日談
リツコ「マヤ。あの着ぐるみ何処に置いていたの?」
マヤ「コインロッカーです。何時出番が来ても良いように。」(^^)
リツコ「・・・出る気だったの?」(--;)
マヤ「誰でも一度はスポットライトを浴びたいじゃないですか。」(^^)
リツコ「・・・。」(--;)
マヤ「今度出る時は、先輩とタッグチームを組みたいです。」(^^)
リツコ「それはミサトかアスカに頼みなさい。」(--;)


筆者後書き
 どうも。Moonstoneです。前編から2ヶ月以上間を空けてしまいました。決して忘れていた訳ではありません(^^;)。
冬月SSもかなり間が開いたし・・・。前後編の時は、もう少し間を詰めるようにしますので(_ _)。
もしピンクの怪獣が本当にプロレスに出るなら、テーマソングは「怪獣音頭」でしょうか?
しかし、今回は違和感が無かったです。怪獣はアトラクションとかが似合うようです(^^;)。


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