彼女が消えたとき、そこに彼女がいた

written by BEFANA

 

 

 

碇ユイの命日・・

 

 

その墓の前には碇ゲンドウと、

その息子、碇シンジのの姿があった・

 

 

シンジは父親であるゲンドウと目をあわそうとはしない・・

苦手なのだ・・父親が。

 

「写真とかないの?。」

 

シンジは今は亡き母親の面影を求めていた・・

 

「残ってはいない。この墓も只の飾りだ、遺体もない。」

 

「先生の言ったとおり全部捨てちゃったんだね。」

 

「全ては心の中だ今はそれでいい。」

 

そう言うゲンドウの瞳は限りなく優しかった・・

しかし、サングラスに阻まれシンジがそれに気づくことはなかった。

 

 

 

 

と、その時2人の頭上からUNのヘリコプターがゆっくりと降りて来た。

 

「時間だ、先に帰る。」

 

目の前のシンジを一瞥し、ゲンドウは向きを変え、

静かにその場を立ち去って行こうとする・・

 

 

ふと、背中を向けたゲンドウにシンジが声をかけた。

 

「父さん!?。」

 

 

シンジの精一杯の勇気を振り絞った一言・・

 

「なんだ。」

 

いつもの通りの抑揚のない声・

だが、今2人は初めて真っ正面から向き合った。

 

交わる視線・・

 

かすかな緊張感が辺りを包むなか、シンジがおずおずと

口を開いた・・・

 

「あの・・今日は嬉しかった・・父さんと話せて。」

 

 

 

 

 

 

「そうか・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

ゲンドウはそう言い残すと再びシンジの方を振りかえることもなく、

綾波レイの乗るUNのヘリに乗り込むと、その場から去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「碇指令、どうかしたんですか?。」

 

ヘリの中、ゲンドウのわずかな表情の変化に気づいたレイが声をかけた。

 

 

「いや、なんでもない・。」

 

そう言いいながらサングラスをとったゲンドウは目尻を指で掴む・・

 

至近距離にいるレイにはゲンドウの目元にうっすらと浮かんでいる涙が

確認できた・・

 

 

(碇指令・・・泣いてるの?)

 

レイは空を飛ぶヘリから再び墓地へと視線をやる・・

 

 

(碇君・・)

 

そこにはヘリの姿を目で追っているシンジの姿が映っていた。

 

 

(そう・・・碇君が・・・)

 

 

ヘリから眼下を見つめるレイ。

その視線の先には呆然とヘリを見つめているシンジがいた。

 

 

 

そんなレイに静かにゲンドウが語りかける。

 

「レイ・・今日が何の日か知ってるか?。」

 

「いいえ。」

 

3月30日・・

 

突然何の日だと言われて困惑するレイ。

 

 

「やはり知らんか・・・・今日はな・・。」

 

 

今日は・・碇ゲンドウの最愛の妻碇ユイの命日・・

 

 

そして・・

 

 

「お前がこの世に誕生した日だ。」

 

 

「私が?。」

 

 

「そうだ・・。」

 

 

 

(あの時・・・ユイのサルベージが失敗したとき。お前がそこにいた。

ユイの代わりに・・私はユイと同様にお前を扱うべきだったのかもしれない。

だが、私はあくまでユイにこだわった・・再びユイと再会するため。

私は今までお前に辛い思いをさせてきた・しかし、今日のシンジを見たとき、

私は・心に決めた・・私ももう逃げるは止めよう。

レイお前は1人の人間として生きて行くのだ・・。

しかし・・その前にはやらねばならぬ事がある・・全てを終わらす為に・・

だからもう少しだけ・レイ、お前を利用させてもらう・・。

すべてが終わった後私どうしようとかまわん・・それはお前が決めることだからな・・)

 

 

そこでゲンドウはレイに視線を向ける・・

レイは突然の告白に困惑しているようであったが・・

どこか必死にそれを受け止めようとしているようであった。

 

それを確認したあとゲンドウは静かに視線を前へと戻した・・

 

その視線の先には何があるのか…

 

 

 

 

2人を乗せたヘリコプターは進んで行く・・

 

遙かなる未来へ向けて・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


いいわけ

 

明るい話を書こうと思ったのですが・・

こんな滅茶苦茶な話になってしまいました・・

それにレイの誕生日って題からかなりはずれてる気がする(^^;

レイちゃんごめんなさいね<(_)>ペコリ


ベファナさん、本当にありがとうございました!!

ベファナさんへの感想メールを!
shi-ma@din.or.jp
までお願いします。


「綾波祭投稿作品」へ戻ります。