Don’t be


僕は、あの時なにも言えなかった。
慰めの言葉さえ浮かんでこなかったんだ。
抱きしめることさえ出来なかった。
僕に出来ることはないと思っていたんだ。

「いやぁ!!私の心を見ないでぇ!!!」

僕には、出来ることすらない。そう思ってあきらめていたのかもしれない。
彼女がおかしいことぐらい、僕にもわかっていた。
いつもと違う、いつもと何かが違う。
でも、僕はそれに気づかない振りをしていたのかもしれない。

「私の心を犯さないでぇ!!」

あの時、僕には何が出来ただろうか。
今考えても、その答えはわからない。
それに、今わかっても、意味がないことぐらいわかってる。
でも、あの時僕が何かをしていれば、運命は変わっていたかもしれない。

「私のこと、なにもわかってないくせに!!」

僕は、なにもわからなかったんだ。
彼女が、何を望んでいたのか。
彼女が、何を探していたのか。
彼女には、何が必要だったのか。

「ミサトも嫌い・・・・シンジも嫌い・・・・ファーストはもっと嫌い・・・・パパも嫌い、ママも嫌い・・・・」

彼女が僕に何を求めていたのか。
彼女のために何が出来ただろうか。

「でも、自分が一番嫌い!!もぉ我慢できない!!なんでアタシが!!!」

彼女は、自分を認められていたんだろうか?
僕は、彼女を認めていたんだろうか?
認めるって、一体何なんだろう。
理解って、一体なんなんだろう。

「なんでアタシがっ!!!!!」

あの時、綺麗な曲が流れていた気がする。
それは、まるで人の存在を哀れむような。

「だから私を見てっ!!!!」

彼女は、たぶんこう言えばよかったんだと思う。
「アタシはここにいるよ」と。
でも、彼女には、その言葉を言える勇気がなかったんだ。
そして、その言葉の代わりに、自分にこう言ったんだと思う。

「Don’t be」

「存在するな」

「認められないなら、自分を消してしまおう」

と。
傷つきやすい心は、それで一気に崩れ落ちてしまったんだ。
プライドだけで、自分を支えていた彼女だから。

僕は、あの時こう言えばよかったんだ。

「アスカはここにいるじゃないか」

 

 





後書き

まず最初に謝っておきます。
本当に、その場のノリだけで書いてしまいました。
何故か、こんな時期に、22話を見てしまって。
そして、アスカの本当の姿を書いてみたいと思いまして。
今のアスカは、きっとここが始まりなんだと思います。
それをおいら自身忘れないためにも、書いてみた次第です。
それでは。


GIDAさん、本当にありがとうございました!!

GIDAさんへの感想メールを!
gida@os.xaxon.ne.jp
までお願いします。


「投稿作品展」へ戻ります。