Case3
アタシを…
アタシを必要としてくれる人は誰?
アタシは何故生まれてきたの?
アタシに生きる価値はあるの?
怖い…
寒い…
誰か…
誰かアタシを見て!
Another one
傷一つない身体。
鏡に映る自分。
それを見つめている自分が見える…
「なんで…?」
ふと、そんな言葉がでてくる。
……………
鏡は、なにも答えてくれない。
当たり前よね。アタシもヤキがまわったかしら。
バカシンジじゃあるまいし。
まったく馬鹿らしい…
…………ら……
え??
何…??
………るから……
嘘…
鏡から…聞こえてくるの?
………るから……
なんて言ってるの!?
教えて!!!
思わず鏡に近づく。
…逃げてるからよ…
…逃げてる?
アタシが??
…そう。逃げてるから…
シンジじゃあるまいし、なんでアタシが逃げてるってぇのよ!
馬鹿なこと言ってんじゃないわよ!!!
興奮のあまり、鏡に顔が触れるぐらいまで近づく。
…それは、あなたが一番よく知っているでしょ?…
鏡に映ったアタシの顔が、一瞬にして醜く歪む。
…恐怖、絶望、孤独、悔恨、嫉妬、不安、挫折、絶望、嫌悪、拒絶、失望…
…うるさい…
…恐怖、絶望、孤独、悔恨、嫉妬、不安、挫折、絶望、嫌悪、拒絶、失望…
…うるさい……
…恐怖、絶望、孤独、悔恨、嫉妬、不安、挫折、絶望、嫌悪、拒絶、失望…
なんで!?なんで、このアタシがッ!!
…それは、あなたが望んだことだから…
…そして、あなたの結末が…
「ここは…??」
彼女は草原の真ん中に立っている。
空は澄むように晴れていて、ちぎれ雲が悠々と碧の中を泳いでいる。
草をそよがせる風が、彼女の頬をなでた。
「…気持ちいい……」
彼女は腰を下ろした。
ふと、遠くの方に視線を流す。
そこには仲の良さそうな母子が戯れていた。
「…いいわね。とっても幸せそう…」
彼女の顔に自然と笑みが浮かぶ。
ずっと忘れていた不思議な安堵感。
その感情が彼女を包んでいく。
しかし、何かを思いだしたように、顔をしかめてそこに寝転がる。
両手両足を十分に草の上に伸ばした。
「でも…」
『でも、ママはキライ』
『何故、ママがキライ?』
「ママは…アタシを壊すから」
『何故壊すの?』
「ママは…アタシを殺すから」
『何故殺すの?』
「ママは…アタシを消しちゃうの」
『何故消しちゃうの?』
「ママは…アタシがいらないの」
『何故いらないの?』
「だって…ママはアタシがいらないんだもの」
『本当?』
「じゃないと、ママがそんな事するはず無い…」
『本当?』
「…何が言いたいの?」
『……嘘』
「何が言いたいのよっ!!」
『あなたは…逃げてるだけ』
「アタシは逃げてなんかいないわよっ!!」
『強がって本当の自分を隠しているだけ』
「隠してなんかいない!!」
『本当の自分はとても弱いから』
「アタシは弱くない!だから、逃げてなんかいないっ!!」
うるさいほどの蝉の声
でも、わたしには聞こえない
うだるような暑さ
でも、わたしは感じない
右手を挙げる
枯れた右手
バスタブから見上げる空は澄み切っていて
自分の存在が余計に汚れて思える
これが逃げること?
これが逃げた結果??
アタシの望んだ結果??
『そう。あなたの弱い心が生みだした結果』
「アタシはこんな事望んでいなかった」
『あなたが逃げたときから決まっていたことなのよ』
「アタシは逃げてなんかいない!」
『いえ。あなたは逃げ出したの』
「逃げてないっ!!」
『あなたは母親から逃げ出した』
「違う!」
『あなたは人との関わりから逃げ出した』
「違う!!」
『あなたは本当の自分から逃げ出した』
「違う違う!!アタシは逃げてなんかいない!!」
「アスカ。もっと自分に素直になった方がいいよ」
……シンジ
「心を開かなければ分かり合えないわ」
……優等生
「頑張ってね。アスカ」
……ミサト
「アスカはよく頑張ったと思うわ…」
……ヒカリ
「惣流は気を張りすぎや。もっと楽にせな」
……鈴原
「もっと素直だったらいいんだけどな」
……ケンスケ
アタシは逃げていたの?
ねぇだれか…
誰か教えて!!
『自分を偽って逃げていたのよ』
「アタシが自分を偽る??」
『本当のあなたはか弱くて脆い。それを隠すために虚勢を張り続けてきたの』
「アタシが…?」
『そう』
「……アタシはどうすればいいの?」
『それは自分で決める事よ』
気づいたら鏡の前で座り込んでいた。
涙が止まらなかった。
鏡のあたしは話しかけてくれなかった。
泣くことはキライ。
自分が弱くなってしまうから。
でも…
泣くことが悪いの?
それは、これからのアタシ次第…
これからのあたしの気持ちで涙は美しくも弱くもなる。
泣くことで強くなるアタシになれるかもしれない。
(そう。全ては自分次第)
(今までのあなたを別に否定する訳じゃない)
(人は変われるわ)
(人は変わりながら生きていくの)
(だから変わることを恐れないで)
(自分から逃げないで)
(本当のあなたを)
(わたしを受け入れて)
(そうすればあなたは成長する)
(全ては自分次第なの…)
そっか…
そんな簡単なこと、忘れていたなんて…
アタシらしくないわね。
ありがとう。本当のアタシ…
END
後書き
どうも。GIDAです。
今回はアスカ様に前向きに生きてもらいたくて書いた次第です。
一歩一歩進んでいく人は端から見ていても美しいと思います。
アスカ様にも美しくなってもらいたいものです。
最後に。ま〜くさん、100000HITおめでとうございます。
それでは。
GIDAさん、本当にありがとうございました!!
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