[シンちゃんの憂鬱・水着騒動]

                                     by.Sa-toshi


今日は中学の臨海学校。シンジたちEvaのパイロットも参加出来る
近場の熱海の人工海浜である。シンジたちのクラスは砂浜でスイカ割りに
興じていた。

「オオッ!」

 アスカが、鮮やかな赤いおニューの水着姿で現れると男子一同がどよめく。
が、日頃の戦いで疲れているシンジは、何の反応も示さずに少し離れた所で
ボーッと海を眺めているではないか。ムッとするアスカ。

「シ〜ンジッ、えへへっ」
「わぁ!」

 シンジの背後に沸いて出て来たマナが、シンジの両目を後から両手で
覆ってジャレついてくる。なんと彼女が着ているのはアスカと同じ形で
色違いの白い水着。アスカの形相が険しくなる。彼女は目隠しのハチマキを
額にキリリと締め、スイカ割りの棒を今、スイカを割ろうとしている男子から
ひったくると、ツカツカと2人の方に歩み寄り…。

「ここかッ?!ここッ?!」
「キャッ」
「わぁ、アスカッ!スイカは向う…」
「シンジのバカッ!」
「マナ、こわ〜い」

 シンジの回りにガシガシと棒を叩き付けて砂煙を上げるアスカ。マナが
シンジにすがり付くと、アスカはたまらず彼女に噛み付く。

「アンタ!ひとの真似すんじゃないわよ」
「え〜っ、真似なんかしてないもん、それに赤なんて子供っぽい…」
「言ったわね!」

 キレたアスカが何故か手元に転がっていたバケツの水をマナにぶっ掛ける。

「や〜ん、ひど〜い」
「ワワッ、マナ…」

 目が点になるシンジ。水を被ったマナの白い水着は透けていたのだ…。
下にはアンダーショーツを付けていたものの、腰から上は水着が肌に貼り付き、
おへそはクッキリ、胸はドッキリ、パッドもニプレスもない…イチゴショート
が2つ。

「マナ、恥ずかしいッ」
「キーッ、ワザとらしいッ!」

 一瞬の間を置いて胸元を両腕で隠しながら、瞳からシンジに誘惑光線を発する
マナの仕草にメルトダウン間近のアスカ。周囲にはクラスメイトの人垣が出来
始め、シンジはその場が逃げようと腰を引き始める。しかし、またもや災難。

「…遅くなりました」

 レイである。参加しないと思っていたレイが現れたのだ。それもアスカやマナ
と同じ形で色違いの紫の水着を着て…。

「ちょっと!ファースト、どういうことよ」
「…別に」
「何よ、また碇司令にプレゼントでもされたの?」
「司令が着ろって言えば、そうするわ…」

 今度はレイに食って掛かるアスカの甲高い声を尻目に、四つん這いになって
人垣の輪から逃げようとしていたシンジ。アスカはそれを見逃さない。

「コラッ、逃げるな!」
「何で、僕ばっかり…」
「何でシンジばっかり…」

 頭を抱えるシンジの横では、ウルウルと悔し涙にむせぶケンスケ。

「こうなったら、はっきり決めて貰おうじゃないの!ねぇ、シンジ」
「そんな、決めるって…」
「誰が1番似合ってるかに決まってるじゃないの、あんたバカぁ!?」
「当然、マナが1番よね〜、ねッシンジ!」
「ま、マナ〜」
「…私も、はっきりして欲しい」
「あ、綾波まで、何言ってんだよ!」

 ヤンヤの大騒ぎの輪の中で、シンジはトウジに助けを求めようと視線を
巡らせたが、彼の姿はない。それに、こんな時は「3つ股カケるなんて不潔よ!
責任取りなさいよ」と言い出しそうな委員長の姿も…。

「あ、あのね、初めて着てみたの…ビキニ」
「そ、そんなん言われたかて、ワシ、何て言っていいのか…」
「べ、別に似合ってなくてもいいの…ただ、何となく着てみたくなって」
「に、似合ってないことはナイ…って、何言うとんのやろ、ワシ」

 ちょっと離れたところで2人の世界に入り込んでるトウジと委員長であった。

 

               <おしまい>


Sa-toshiさん、本当にありがとうございました!!

Sa-toshiさんへの感想メールを!
emtoshi@purple.plala.or.jp
までお願いします。


「投稿作品展」へ戻ります。