トリさんトリさん
ここは常夏の第三新東京市、使徒の襲来もめっきりと減り・・・
一時は猛威をふるった、ブルニャ〜ゴ教団の脅威も去った・・・
しかしチルドレン達に、安息の日々はない・・・新たな影がしのびよろうとしていた。
新しいネルフの指導者となった「葛城ミサト隊長」は、ある一室にチルドレン達を招集していた。
四角いテーブルにそれぞれが向かい合うように座り、言葉を戦わせる。
葛城隊長の顔は、真剣そのもの・・・惣流二尉は、怒りに顔を紅潮させていた・・・
綾波二尉は、あくまでクールに・・・そして碇三佐は、脅えていた・・・
「シンちゃん、恐がってばかりじゃなにもできないのよ。」
「そうよ!バカシンジ三佐様。偉くなったんだから、いつまでもグズグズしてんじゃないわよ。」
「でもミサトさ・・・いえ、葛城隊長。やはりここは恐いです。僕・・・降ります。」
「なぁに云ってのよぉ。私は今ピンチなのよ。さっき助けてあげたじゃない、忘れたのぉ・・・」
「碇くん・・・逃げたい時は逃げればいいの・・・それもらうわ・・・」
「ありがとう綾波ぃ・・・僕恐くって、一発消してくれて嬉しいよ。」
「ファースト、なにすんのよ。また私を飛ばしたわね、何回邪魔すれば気が済むのよ。」
「アスカ、しょうがないわよ。レイは今日は泣く事を覚えてしまったばかりだし。勘弁してあげなさい。あっ・・・」
難しい顔をしていた葛城隊長の顔に、笑顔が浮かぶ。それとともにチルドレン達の表情がゆがむ。
「ツモね。一発はつかないけど・・・めんたんぴんに、ドラはどれどれ一つかぁ。8000に2000ね。」
「酷いよぉ・・・なんで僕の親割れの時に限って、みんなツモるんだよぉ。もう飛びそうだよぉ。」
「ごめんね、シンちゃん。今度優しくしてあげるから、ゆるしてちょ。」
「・・・2000点・・・不思議な気持ち・・・なんか悔しい・・・そう・・・私悔しいのね・・・」
「ふん、私なんか七対子のいしゃんてんから・・・ずっとこなくていらついていたのよ・・・ファーストは泣いて、ツモをはねるし。」
「まだまだ今晩は長いわよ。徹底的にやるからね。シンちゃん、一回くらい飛んだって大丈夫よ・・・今日はテンピンだから。」
「そうね・・・まだまだこれからよ。この私が負けるなんて決して許されないのよ。」
「・・・碇くん、あなたは飛ばないわ・・・私が守るもの・・・また泣かせてね・・・」
「もう嫌だぁ・・・誰か僕に優しくしてよ・・・こんなに頑張っているのに・・・どうしてみんな僕をいじめるんだよぉ。」
そう・・・ミサトさんと、三人のチルドレン達は強引に徹夜麻雀に参加させられていたのであった。
発起人は当然、再び加持が姿をくらませた為、夜を寂しくもてあます三十路の新隊長である。
やけ酒の相手を、独房送りにしてしまった為、矛先がチルドレン達に向かってしまったのであろう。
しかし、このイベントを本気で反対したのは、シンジくん唯一人であった。
なにゆえか、アスカ様にレイちゃんは嬉々として同意したのである。彼女たちも暇を持て余していたのであろう。
そう、暇じゃないのは考えてみればめんどくさい事をすべて抱える才能をもつ薄幸の少年だけだった。
なお、チルドレン達がいつ麻雀を覚えたのかというツッコミは、お願いだから忘れて欲しい。
ここまでの成績は、トップがなにゆえかレイちゃん。続いてミサトさん。ここまでがプラスで、
アスカ様が少々マイナス。そしてシンジくんが、大きくスーパーズガン状態であった。
恐がって降りてばっかりいるから、どんどんツモられて点数を落とすという事をくりかえしていた。
まるで、弱気の時の作者みたいである。はうう・・・逃げちゃだめですね。
戦いは続く・・・恐らく三人の淑女達の気が済むまで。シンジくんが、雨上がりの坂を転げ落ちるまで・・・
「でもさぁ・・・結局の所、ブルニャ〜ゴ狂団ってなんだったのかしらね。」
「リツコもさぁ・・・最初は面白がっていたみたいだったけど、だんだんやる気をなくしていたみたいだったしね。」
「結局・・・司令をひざまつかせた時点で、気が済んだのでしょうね。あっそれ・・・チイ・・・」
「もう、また泣くのぉ・・・まさか白のみなんてじゃないでしょうね。もう怒るわよ、いいかげん。」
「まあまあ・・・アスカ。何点でもいいじゃない。レイ気にしなくてもいいのよ。(レイの泣きは、今日は私に吉にででいるのよね。)」
「了解・・・あっ、碇くん・・・あたりよ。実はドラ3だから満貫なの・・・ありがとう・・・感謝の言葉。」
「ぐすん・・・すんすん・・・カヲルくん・・・僕を助けに来てよぉ・・・」
「あ〜あ、せっかく跳満の手が出来そうだったのにぃ・・・白ドラ3・・・美しくない手ね。」
「よけいなお世話よ・・・お猿さん。そういうのを三味線っていうんじゃないかしら・・・」
「なんですって!、云ったわねぇ・・・もう許さないわ。だいたいあんた人ごとみたいに云うけど、元狂団のメンバーだったじゃない。」
「よしなさいあんた達。私の前で暴力沙汰は許さないわよ。勝負は卓の上でつけなさい。(私だって、たんぴん三色はってたんだからね。)」
「あのさぁ・・・実は気になる事があるんだけど。お願いだからこんどこそ・・・あう(国士しかないじゃんこんな牌パイ。)」
「どしたのシンちゃん。気になる事って?」
「マナの姿が、最近見当たらないんだ。探しているんだけど・・・心配で心配で・・・」
「そういえばそうね。もともとリツコの家に世話になってたんだったしね。(ラッキー!ドラのダブ南が二枚きているわ。)」
「伊吹三佐が面倒みるって云ってたわ。心配無用よ・・・あっそれ・・・いえやめとくわ・・・」
「ふん・・・今度は泣かないの、低血圧根暗女。それじゃあ、私がいくわよぉ・・・ポン・・・続いてカ〜ン。もういっちょカ〜ン!」
「なによぉ・・・アスカぁ、急に泣き出してぇ。どおでもいいけど、中順牌でカンなんかしないでよぉ。」
「五月蝿いわね・・・私はこのまま負ける訳にはいかないのよ。(四カンツでもねらってやろうかしら。)」
「あっ・・・アスカ、それカンです。すみません・・・」
「のわにすんのよぉバカシンジぃ。よくもやってくれたわね。これで三カンツすら潰れたじゃない・・・あああ役がないわぁ!」
「・・・ごめん・・・アスカ・・・みんな僕が悪いんだね。アスカが上がれないのもみんな僕が悪いんだね。」
「碇くん・・・うっとうしいわ。ネガティブシンキングは、ここではやめて・・・5ソウ切りでリーチね。」
「なぁにぃ〜ファースト。あんたに面前は似合わないわよ。う・・・トリさん・・・嫌い・・・嫌いよぉ・・・いらないわ!」
「あう・・・トリさんトリさん・・・大好きなのです!・・・お猿さん、当たりよ。」
「なによぉ・・・リーチ一発ってわけぇ・・・ふん、リーのみじゃな・・・はうう・・・」
「ドラが表と裏でぇ・・・ひいふうみよぉ・・・これは、数え役満ね・・・割れ目のアスカさん、ありがとう・・・感謝するわ。」
「バカシンジ!みんなあんたのせいよ!!どおしてくれんのよ!!!」
「ごめんよう・・・アスカぁ・・・僕がみんな悪いんだ・・・僕はもうなにもしない方がいいんだ・・・」
「あの・・・確かダブルってありよね・・・アスカ、そのトリさん・・・私も当たりなんだけど・・・倍満どまりだけどね。」
「・・・・・・!?」
「あ・・・アスカ・・・よ・・・よかったね、ミサトさんが倍満ですんで・・・」
「五月蝿いわね、ちっともよくないわよ!こんなことなら死んだ方がまだましよぉ!!!」
「「「・・・アスカ・・・」」」
「嫌い嫌い!みんな嫌い!!大嫌い!!!」
セカンドチルドレン惣流アスカ・ラングレーは、計96000点を一発で振り込み・・・精神崩壊を起し、懐かしの303号病室へと帰還となった。
恐るべしトリさん。やはり彼女には、翼のある物は鬼門だったようだ。
ネルフ雀饗の変はサンマへと移行し、まだ続けられた・・・もちろん大きくプラスのお二方は、まだ気が済んでいない・・・
「天国にいるお母さん・・・ここは地獄です・・・ミサトさんも・・・綾波も恐いんだ・・・助けて・・・助けてよ・・・」
「なぁに・・・シンちゃん、こんな所で○○ないでね。プッハ〜、今晩はエビチュが上手いわねぇ。」
「碇くん・・・あなたは、私がきっと守るから。だからわかっているわよね・・・うふっ。」
「ううう・・・負けるもんか・・・逃げちゃだめなんだ・・・逃げちゃぁ・・・あうう・・・なんだよこれわぁ・・・また国士の出来損ないだぁ。」
「シンちゃん、おっとこの子でしょう。せっかくの親じゃない。いつまでも嘆いていないの。(いい手いい手・・・これはいくわよん。)」
「碇くん、麻雀のツキは自分の力で呼び込むものなの・・・クズ手を美しく変えていく事が本当の醍醐味なのよ・・・九ソウ、ポン!」
「わかったよ綾波、僕頑張る。あっ・・・白ポンです。」
「その意気よ、碇くん。一萬ポンね。」
「なにやってんのよあんた達、ほんとにへぼ麻雀なんだからぁ・・・しょうがないいわねぇ。(順調よん。)」
「気にする事ないわ、碇くん・・・一ピンポンよ。(できたわ・・・きれい・・・)」
「ううう・・・僕は初号機パイロット碇シンジです。六萬なんていらないやぁ。」
「(当たりなんだけど・・・ちょっち待ってね・・・可哀相だから見逃してあげよう)サクっとな・・・(来た来たぁ九萬)・・・う〜ん、駄目ね・・・」
「碇くん・・・その六萬は少し危険・・・ばあさんがダマで狙っているわよ、気をつけて。(いい手なのよ・・・流さないで・・・)」
「ばあさんって誰の事かなぁ・・・云っとくけどワルサーP38は、質屋から戻っているのよ。(純ちゃん3色ドラ3完成ね・・・ふふん。)」
「なんか空気がおかしいよぉ・・・なんか恐い・・・あっ中ポンです。(出来たみたい・・・カヲルくん、僕を守ってくれる。)」
「シンちゃん、なぁに大三元でも作るつもり。サクサクっと・・・(うっトリさん、不吉ねぇ・・・でもこういう時は強気よね。)」
「どおしたの・・・葛城隊長・・・背中がすけているわよ。早く楽になれば・・・」
「うっさいわねぇ〜切るわよ。(こちとら倍満なんだからね。)それ、トリさんよ!お食べなさい。」
「ミサトさん、その・・・当たりです・・・大三元です。僕親だから48000点です。ミサトさん・・・大好きです。」
「・・・シンちゃん・・・まじぃ・・・そんなのないわよ・・・さっきの六萬見逃してあげたのに・・・酷いわ、お姉さん泣いちゃう・・・」
「見逃したのは、純ちゃん3色狙いだからでしょ・・・私も当たりなの・・・トリさんトリさん、いただきま〜すなのです。」
「な・・・ななな・・・そりは、清老頭・・・そんなのありぃ・・・お父さん、加持ぃ助けてよ・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「葛城ミサト隊長、完全に沈黙ですぅ。」←なぜか実況しているマヤちょん
「碇くん・・・おめでとう・・・(私は、たったの32000点、残念ね。サンマでも割れ目をもうければよかった。)」
「綾波・・・ありがとう・・・君のおかげだよ。(カヲルくん、僕を守ってくれたんだね。嬉しいよ・・・カヲルくん!)」
「碇くん・・・」
「綾波ぃ・・・」
おっとぉ・・・ついにLRSフィールドが展開されるか・・・っと思われたが・・・
「碇くん、いよいよ決勝戦よ。覚悟はいいわね。」
「なんだよそれえ・・・麻雀じゃないの。二人じゃ出来ないんじゃない。」
「『エヴァと愉快な仲間たち』を知らないの・・・あそこでのトーナメントでは一対一が基本よ。」
「やめてくれよぉ・・・もぉ・・・綾波は、いったいどうなったら気が済むっていうの。」
「もちろん、碇くんが雨上がりの坂を転がり落ちるまでよ。ねえ・・・みんな!」
「えっ・・・」
そこにシンジが見たものは・・・
(アスカが・・・ミサトさんが・・・リツコさんが・・・マヤさんが・・・トウジが・・・ケンスケが・・・父さんに・・・母さんも・・・みんながいる・・・
みんな笑っている・・・あっ拍手してくれる・・・僕は・・・僕は・・・ここにいていいんだ・・・ありがとう・・・みんな・・・ありがとう・・・)
「サードチルドレン、危険域にはいりました。これ以上はもう・・・ダメですぅ!」←またまた、マヤちょん。冴えわたる実況!
夜が明け、戦いは終わった・・・
「優勝は、綾波レイちゃんですぅ。おめでとうございますぅ。(先輩が帰ってくるまで、教祖代行してもらおうかしら。)」
「ありがとう・・・苦しい戦いだったわ・・・先ずはこの大会を支えてくれた、関係者、スポンサー、ボールパーソンのみなさんに感謝します。
そして、もっとも愛すべきダーリン、故碇司令にこの勝利を捧げます。来年も必ず帰ってきます。私はこの街が大好きです。」
「レイちゃん・・・一体だれのマネかしら・・・ほとんどの人がわかんないと思うんだけど・・・」
「シュテフィー・グ○フを知らないというの・・・信じられないわ。こういう時はドイツ生まれのお猿さんが、いたらね・・・」
「(知らないわよ。ナブ○チロワなら先輩から教えてもらったけど。)おめでとうレイちゃん・・・それでは、マイクをお返しします。」
「ご苦労様でした、伊吹アナウンサー。それでは、第三新東京特設スタジオより生中継してきました。<割れ目で○○>も、
ちょうど終りの時間になりました。それでは最後に、レイちゃんの会心のシーンを見ながら、さようなら〜!」
「・・・私も当たりなの・・・トリさんトリさん、いただきま〜すなのです。」
おわり
******後書き******
どうも柴レイです。麻雀をやらない方には、わけわかんないですよね。すみませんです。
でも、『エヴァと愉快な仲間達』でのレイちゃんの笑顔が大好きで、それに免じて許して下さい。
えっ・・・いつブルニャ〜ゴ教団が、解散したって・・・あう、
疑問を持たれた方は、「素晴らしき僕ら」
(http://www.iris.dti.ne.jp/~gbd03542/)
にいってみて下さい。
それでは〜
柴レイさん、本当にありがとうございました!!
柴レイさんへの感想メールを!
fwje9785@mb.infoweb.ne.jp
までお願いします。