Wrapped Around Your Finger

激突!!マヤちょん VS レイちゃん (前編)




西暦2017年・・・・・・第三新東京市郊外

かつて赤木博士提唱する新興宗教団体の総本山があった洋館後・・・・・・
そこは謎の大爆発の後、付近からは忘れ去られ・・・・・・廃墟のごとき有り様であった。
絶え間ない時の流れは、あれほどの栄華を誇った教団すらも、歴史の本の中の数行に変えてしまったのだろうか・・・・・・

その廃墟の上を一匹の怪獣がステップを踏みながら歩いている。楽しそうな歌声が辺りに聞こえてきた。


ピロッとでてきた怪獣は・・・とってもかわいいお人よし・・・
ピンクの怪獣マヤちょんにてございます♪
それでどうした・・・お人よし・・・
ピンクのシッポをぺちぺちし・・・いっつも元気・・・素敵な子♪


そこまで歌った後、弾む様に歩いていた怪獣の足がピタリと止まった。
“RITSUKO”のテーマ曲が鳴り出した。どうやら携帯番号の発信音のようだ。

「始まったのね。」

怪獣のお口の中から覗かれる、もう一つのプリティなお顔の瞳が輝いた。

「それじゃぁ、私も急がなくっちゃ。」

そう呟くと、そこから回れ右をして駆け出した。
ピンク色のシッポで地面を優しくたたきながら。
ピンクの怪獣の後方には、なぜかお花畑が広がり、駒鳥達が楽しそうにさえずっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「ジーク!!!ブリュニャ〜ゴ!!!」

薄暗い八畳程の一室。そこには古ぼけた仏壇があり、その正面には線香と十字架が並んで立てられていた。
そして金色の招き猫が、“偶像崇拝禁止”のタスキを掛けられて中央に鎮座していた。
その仏壇の招き猫にお祈りをしている、金髪白衣の女性が一人。一心不乱にお祈りを続けていた。
彼女の背中に、また声がかかる。

「ジーク!!!ブリュニャ〜ゴ!!!」

最初に聞こえた声とは別人だ。どうやらこの“1Kユニットバスの賃貸アパート”には、三人の女性がいる様だ。
時間差で聞こえてきた二人の下僕の声を聞いた後、それまで祈り続けてきた金髪白衣の女性がようやく振り返った。
そして彼女の前で感極まった表情を浮かべている二人に声をかける。

「よく集まってくれたわね・・・・・・あなたたち・・・・・・」

その優しげな声に我慢できなくなったのか、二人の下僕が声を張り上げた。

「先輩・・・・・・わたし・・・・・・わたし・・・・・・今日の日を・・・・・・今日という日が訪れるのを・・・・・・ずっと待っていました!!!」

「寂しさなら・・・・・・なれているよ・・・・・・ううう・・・・・・男なんて・・・・・・ぅ男のわんて・・・・・・どわい嫌いだぁ!!!」

「マヤ・・・・・・マナ・・・・・・辛い思いをさせたわね・・・・・・」

「うわぁん、先輩ぃ!!!一生ついていきますぅ」

「ムサシのぶっわかやろぉ!!!はう・・・・・・・・・・・・・

どちらかというと錯乱したような声をはりあげていた、マナの足元がパカッと割れ、彼女はまっさかさまに落ちていった。
その様を見届けるマヤと、彼女を左手で抱きしめ、そして右手で仏壇の横についている茶色のボタンを押ていた、
“ネオ・ブリュニャ〜ゴ教”教祖リツコの姿があった。二人は、ちゃっぷんという音が聞こえた後、なにもなかったような表情で

「さてマヤ・・・・・・ネオ・ブリュニャ〜ゴの今週の活動目的を述べてみなさい。」

リツコの胸に抱かれながら、マヤは嬉しそうに喉を鳴らしながら、教祖の問いに答える。

「はいですぅ・・・・・・それは第一に、教団直轄領(←第三新東京市の事らしい)の平和を守ることですぅ・・・・・・」

「正解よマヤ・・・・・・でもね、その平和な街に危機が訪れようとしているの。」

「なんですって!?」

とろ〜んとした目をしていた、マヤの瞳が驚きに見開いた。リツコはそれに軽くうなずく。
マヤはリツコの胸の中から離れた。そして畳にしいた、回転座椅子に座るリツコの前で、直立不動の体勢をとった。
リツコはきりりとした表情で自分を見つめるマヤを頼もしげに見ていたが、まもなく真剣な表情で声を発した。

「ファースト・ブリュニャ〜リアン・・・・・・伊吹マヤ。これから説明をします。よく聞くように。」

「はいですぅ!!!」

「セカンド・ブリュニャ〜リアン(←多分マナの事だろう)にも直に後を追わせるからね・・・・・・頑張るのよ。」

「がおお!!!」

「説明を始めます。実は・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


国立第三新東京高等学校普通科に通学する、かつてのエヴァパイロット、碇シンジと惣流アスカ・ラングレーは、
日溜りの午後、仲良く下校をしていた。すでに二人だけの甘〜い誕生日を迎えていた彼らは、
誰はばかることなく、熱い・・・厚い・・・LASフィールドをばらまいていた。

「シンジぃ・・・・・・もう、アーちゃんお腹がすいたよぉ・・・・・・」

「我慢するんだよ、アーちゃん。間食は太る元だから。」

「でもでもぉ・・・・・・アーちゃんね、お腹と背中がぴったんこなんだよぉ。」

「そんなこと言わないで・・・・・・今晩はアーちゃんが大好きな、函館風ジャンボハンバーグを作ってあげるから・・・・・・ねっ」

「うん。わかった。アーちゃん我慢するよぉ〜えらいんだもん!」

「そうだぁ、えらいなぁアーちゃんは。とっても柔らかくてジューシーなハンバーグを食べさせてあげるからね。」

「好きだよぉ・・・・・・シンジぃ・・・・・・むーちゅっちゅっ。」


「弐号機パイロット・・・・・・許せない・・・・・・私の碇くんに・・・・・・」

あちちな二人と、それを影から怒りのオーラに身を包みながら見つめる、青白く光る少女がいた。


ちなみにあちちな二人は、最近天国から地獄を味わった不幸な少女の前で、デープキスをかまし、
ウイルスに感染した少女が、再び新興宗教熱を発病する悲劇を起こしていたが、不幸だったのはその少女だけではなかった。
高校の教室でLASウイルスがばらまかれるたびに、その後ATフィールドも発生し。その為LASにつつまれた二人以外は、
命がけでその場から逃げ惑う事を繰り返していた。時にはめがね君が、新品のデジカメを殲滅され号泣し。
またある時は、某熟年女教師が大切にしていた泡盛を蒸発させられ、怒りに我を忘れ、ワルサーP38を発砲して逮捕される。
そんな事件が次々に起きていた。そしてLASフィールドは、やがて教室を飛びだし市街へと広がっていった。
それに続く様にATフィールドの脅威も・・・・・・そう正に第三新東京市は危機に瀕していたのであった。


そしてまた、悲劇が繰り返されようとしていたが

「シンジぃ・・・・・・シンジぃ・・・・・・今晩こそ一つになりたいなぁ・・・・・・とっても気持ちのいいことしようよぉ・・・・・・」

「だめだよ、アーちゃん。僕達はまだ高校一年生なんだから。」

「だってぇ、ミサトがせっかく収容所に連れて行かれたんだからチャンスじゃない。」

「アーちゃん、やめなさい。そういう冗談は。ドイツ生まれのアーちゃんが言うと洒落になんないんだから。」

「アーちゃんは、あの真っ白オバケよりも、ずうっとずうっとシンジの事愛しているんだよぉ・・・・・・あっ真っ白オバケ!?」

「あっ綾波・・・・・・」

二人の前に、青白く光る少女がいる事に、ようやくシンジとアスカは気がついた。
小刻みに震える少女。こちらもかつてのエヴァパイロット、綾波レイはアスカを睨みつけながら呟いた。

「わたしは真っ白オバケではないわ・・・・・・碇くんの隣に相応しいのはわたし・・・・・・あなたではないわ・・・・・・」

その呟きにアスカの表情が変わる。口調も変化した・・・・・・いや口調は元に戻ったというところか。

「ファースト、何ふざけた事いってんのかしら。あなたは負けたのよ。」

「負けてはいないわ・・・・・・間違いは直ちに修正されるべきなのよ・・・・・・」

「やろってえの。私に勝てると思っているの。」

「その為のATフィールドよ・・・・・・お猿さんを殲滅しなければ・・・・・・碇くんに明日は無い・・・・・・」

「決めたわ。あなたをLCLに返してあげる。」

「アーちゃん、喧嘩は・・・・・・「バカシンジは黙ってなさい!!!」

アスカに怒鳴られて、思わずその場にうずくまるシンジ。さっそくお得意の自閉モードに突入した。
うずくまるシンジを置いて、激しく火花をちらす二人。サードインパクトすらも逃げ出しかねない不穏な空気が流れた。

「来なさいよ・・・・・・叩きのめしてあげるから・・・・・・」

「手加減しないわ・・・・・・ATフィールド・・・・・・」


まさに一色即発のその時、甲高い声が突然響いた。

「ちょっと待ったですぅ!!喧嘩はやめるですぅ!!」

その大声にびっくりする、アスカとレイ。二人の視線の先には駆けて来るピンクの怪獣の姿があった。

「教団領の平和を乱す事は許しません。この私に免じてハンド・イン・ハンドするのですぅ・・・・・・」

「教団領って何よ?マヤ?」

「伊吹先生・・・・・・邪魔はしないで・・・・・・」

「そうはいかないですぅ・・・・・・」

なおもファイティングポーズを取り合う二人の間・・・・・・アスカの前そしてレイの正面に、怪獣が立ちどまった。
そして背中越しにアスカに声をかける。

「アスカちゃん。ここはシンジ君を連れて逃げるんですぅ。」

「うるさいわね、どきなさいよ。この惣流アスカが敵に背中を向けられるとでも思っているの。」

「ゆう事を聞くですぅ。これは先輩の命令なんですぅ。それにシンジ君がさっき“貴の波”を自販機で買ってたですぅ。」

「ほへ?・・・・・・何よその“貴の波”って?・・・・・・」

「よくわからないけど、自販機には“超薄型!!お父さん頑張って!!”と書いてあったですぅ。明るい家族計画ですぅ。」

「どういう意味なのそれ・・・・・・」

「私にも訳はわからないですぅ(先輩がいざって時はそう言いなさいと言ってたんですぅ)。」

不思議そうな表情を浮かべる、怪獣マヤとレイ。しかしアスカは目を輝かせて

「わかったわ。シンジ・・・・・・やっとその気になってくれたのね。そうとなったらグズグズしてらんないわ。」

そういってアスカは、何を言っても自分の世界を旅しているシンジを背負うと、

「じゃぁマヤ、あなたの顔を立ててあげるわ。ファースト、さ・よ・な・ら!!」

そう叫んで、その場を駆け出していった。レイの表情がこわばった。

「待ちなさい、お猿さん・・・・・・碇くんをどこに連れて行くの?・・・・・・」

しかし、後を追おうとしたレイの前に、怪獣マヤちょんが両手を上げて立ちはだかった。

「邪魔をしないで・・・・・・」

「そうはいかないですぅ。」

「どうしてそういう事をするの・・・・・・」

「レイちゃん、もう諦めるですぅ。そして、壊れたハートのセカンド・ブリュニャ〜リアンの様に、先輩の元に集うのですぅ。」

「意味がわからないの・・・・・・どいて・・・・・・」

「これだけはレイちゃんには使いたくなかったですぅ。」


怪獣の説得に、聞き耳をもとうとしないレイの態度に、ついにマヤは決断した。
着ぐるみの怪獣の口が大きく開く。そして星の様な物がその口の中に吸い込まれていった。やがてその口の中に眩い光が。

「ファイアーですぅ!!!」

ピンクの怪獣必殺武器、伊吹式コロニー・レーザーがレイめがけて発射された。危うしレイちゃん!!!


「ATフィールド全開・・・・・・ミラーバージョン・・・・・・」

しかしその瞬間、レイは身体の正面に四角いバリヤーを展開した。
それは通常のオレンジ色の光の壁ではなく、鏡の様に怪獣を写し出す壁であった。
そしてその鏡状の壁はレーザーを受け止めると、そのレーザーは反転して今度は怪獣に一直線に向かって行った。

「はうう・・・・・・そんなバカなですぅ・・・・・・」

ピンクの怪獣の口元に正確にレーザーが戻った。そして着ぐるみ全体が一瞬であるが、発光した感じをみせ。
その後、口の中から今度は炎が噴出した。着ぐるみの中味が激しく燃え上がった。

「熱いですぅ・・・・・・熱いですぅ・・・・・・」

ごろごろ転げまわる怪獣マヤちょん。シッポも激しく地面を叩いていた。

「これじゃぁ・・・・・・まるで・・・・・・蓑踊りですぅ・・・・・・熱いですぅ・・・・・・先輩・・・・・・」

幸いな事に近くに池があった。怪獣はそこに向かって飛び込んでいった。
その瞬間、ジューと水の蒸発する音がして、しばらくしてぷかぷかと灰色の着ぐるみが池に浮かび上がった。
レイはそれを見届けると、「碇くん・・・・・・今行くわ・・・・・・」と呟いた後、「シュワッチ・・・・・・」と、これまた小さな声で飛び上がった。
あたりに静寂が訪れた。池の水面を漂う着ぐるみは、それでもピクリとも動かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


アスカはシンジを背負ったまま、一生懸命走っていた。目はキラキラと輝いていた。

「天国のママ・・・・・・アスカは今日・・・・・・女になるの・・・・・・」

どうしても口元が緩んでしまう。しかしアスカはそれを隠そうともしなかった。
エヴァ弐号機で活躍できていた時の様な充実感が彼女を包んでいた。やがてコンフォート17のマンションが見えてきた。
しかし、そんなアスカの行く手に、一人の少女が立っていた。それは超獣ベロクロンの着ぐるみを着こんだ、マナであった。


「アスカさん。ちょっと待って。」

冗談みたいな格好であったが、しかしその表情には真剣な光があったので、アスカも思わず立ち止まった。

「何よマナ?私は忙しいのよ。」

「ムサシがこう言ってたわ。『惣流アスカってかわいいなぁ・・・・・・マナより全然きれいだ。という事でごめんよぉ・・・・・・』
なんてぬかして、私の元を去って行ったのよ。ちきしょう・・・・・・それなのにあなたは幸せそうな顔しちゃってさぁ。
返してよ・・・・・・ムサシを返してよ・・・・・・あなたはシンジだけではなくってムサシまで取り上げるの・・・・・・あんまりじゃない。」


あまりのマナのけんまくに、アスカは思わずたじろいだが、少しして気を落ち着かせると

「何いいがかりつけてんのよ。そんなの私には関係ないじゃない。だいたいムサシなんて興味ないわよ。
それにあんた達が別れた理由は、ケイタ君の事で喧嘩したのが原因じゃなかったっけ。自分でそう言ってたじゃない。
“シンジだけではなくって”だって・・・・・・ちょっと待ちなさいよ。元々シンジは私の物よ。あんたの物じゃないわよ。」

「何よぉ〜勝手なこと言って・・・・・・ケイタって誰よ。」

「えっ??・・・・・・マナ・・・・・・」

「変な作り話しないでよ。私とシンジは昔から許婚だったのよ。戦自とネルフの政略結婚として決められた。それをアスカさんが・・・・・・」

「もしもしマナちゃん・・・・・・あなたは何を電波な事言ってるの・・・・・・」

「カ○ーユお兄ちゃんだってお似合いだって言ってくれたのに。みんなあなたが悪いのよ。」

「マナちゃ〜ん・・・・・・帰っておいで・・・・・・強化人間ではあるまいし・・・・・・」


しかしマナは、さらに危ない目をして、アスカに迫って来た。さすがのアスカもこういう手合いは苦手そうだ。
アスカは、じりじりと後ずさったが、その時二人の・・・・・・いや正確には三人の足元の影が急に広がり出した。
アスカは、以前似たような経験をしたことがあるので、素早くその影の上から飛び退いた。もちろんシンジを背負ったまま。
しかし、ロザミっているマナは、無警戒のままその影の上にいたため、悲劇は起きた。

「あっ!?いやぁ〜助けてぇ!!!お兄ちゃ〜ん!!!」

悲鳴をあげたが遅かった。マナは、ずぶずぶとその影に飲み込まれていった。
その様をアスカは、静かに見つめていた。やがてマナを飲み込んだ影は消え、その場にはアスカと彼女の背中のシンジしかいなかった。
尚、シンジは依然として現実逃避しているようだった。彼はアスカの背中で様々な物を見ていた筈だ。
しかし、今現実に起きている事は、確かに彼には辛い・・・・・・いや怖い事だった。だいたい彼は“貴の波”を買った覚えはなかったし。
結局自己保身の為に、心を閉じていた。時折「アスカ今日転校生が来るんだって・・・・・・」とか呟いていたので、
恐らくこの後にパン食いレイちゃんのパンチラでも夢見るのだろう。そんなシンジを背負ったまま、アスカが叫んだ。


「ファースト!!!いるんでしょ!!!出てきなさいよ!!!」

そんなアスカの叫びに、答えるものがいた。

「流石ね・・・・・・弐号機パイロット・・・・・・」

先程の影が再び地表に現れたかと思うと、その上に突然ゼブラ模様の球体が出現し、それがパチンと割れて
その場に、マナを抱いたレイが立っていた。その瞳は赤く光り、真っ直ぐにアスカを見つめていた。

「霧島さんは、博士に少しマインドコントロールされていたみたいね・・・・・・今その洗脳をといてあげたわ・・・・・・」

「ますます人間離れしてきたわね・・・・・・あなたも。」

「碇くんとひとつになる為だったら・・・・・・どんな力だって出す事が出来るの・・・・・・」

「その決意は敵ながらあっぱれね。是非もなし・・・・・・って所かしら。」

「アスカ・・・・・・覚悟はいい・・・・・・」

「よくてよ、レイ。でもその前に・・・・・・」

「何?」

「マヤはどうしたの・・・・・・まさか力無き者を・・・・・・本気で・・・・・・」

「本気なんて出してないわ・・・・・・勝手に自滅したけど・・・・・・今頃・・・・・・お池でちゃぷちゃぷ遊んでいる筈よ。」

「それを聞いて安心したわ。それじゃぁレイ!!!」


アスカはシンジを背中から無造作に落とすと、その場でファイティングポーズをとった。
しかし、レイはその様子を見た後、不意に“にまっ”と笑った。
アスカはその微笑みを見た時、まずいと感じ、とっさに後のシンジを振り返ったが、もはや遅かった。
シンジの身体が、白く細い紐の様な物に巻きつかれ、そのまま空中に浮かび上がった。

「ああああ!!!シンジ!!!・・・・・・卑怯よ、レイ!!!」

「言った筈よ・・・・・・碇くんとひとつになる為だったら・・・・・・私はどんな力でも惜しまないの・・・・・・」

「卑怯者なり、綾波レイ。恥じと思わぬのか。武士だったら正々堂々勝負すべきよ。」

「歴史は変わったの・・・・・・愚かなるお猿さん・・・・・・」

アスカは悔しさに震えていたが、やがて観念したように目をつむった。
言うまでもなく、アスカがレイに攻撃を仕掛けようとしたならば、シンジは地面にでも叩き落されるのであろう。
がくりと膝をつくアスカ。それをレイは冷ややかに見つめていた。そして彼女の両手がまるで長いハチマキの様に平たくなり、
そして蛇腹の様に折りたたまれた。そして膝をつくアスカに狙いをさだめる。

「さようなら・・・・・・最強のライバル・・・・・・」

アスカ様絶体絶命の大ピンチ。その時であった。


「そうはさせないですぅ!!!」

突如空中から声がかかった。思わず上空を見上げる、レイ。そしてアスカ。
二人の視線の先には何者かが空をあざやかに舞っていた。それは緑の着ぐるみ、モモンガ・マヤちょんであった。
モモンガ・マヤちょんは、両脇の大きな膜で、空中で縛られているシンジを包むと、静かに地面に着陸した。

「レイちゃん、そこまでですぅ!!!」

「あくまで私の邪魔をするのね・・・・・・」

 

 

 

 

 


再び対峙する、両者。今第三新東京市に新たなる危機が訪れた。
アスカは気絶しているシンジを抱きかかえながら、呆然として二人を見つめる。そして側で眠る、超獣ベロクロン。
はたして、蘇ったモモンガ・マヤちょんと、自己の潜在能力を開放したレイちゃんとの対決やいかに・・・・・・

 

 

 

 


後編に続く


柴レイさん、本当にありがとうございました!!

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