日が傾き始め、周りの景色が赤く染めあげられて行く。その中で佇む一人の少女。
少女はマンションのベランダで、一人、外を眺めている。何かを探している様なのだが、漠然と見下ろしている感じもする。ただひたすら下の道を眺めているだけ。
ここは町外れ、あまり人の通りは多いとは言えない。だからだろうか、少女はやって来ては通り過ぎる人達を一人一人じっくりと観察出来る。
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最初に目に留まったのは姦しく喋りながら歩いている主婦達の集団。少々下品な笑い声が聞こえて来る。
「バッカみたい。大方ワイドショーのスキャンダルでしょ。」
怒りの表情を浮かべながら呟く。
「あんなの、何処が面白いのよ。される方の気持ちも知らないで。」
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次にやって来たのは、犬を連れた少年。散歩の途中の様だが、少年と犬の体格はほぼ一緒、犬に少年が引きずられている様にも見える。
「アタシ達、あんなんじゃないわよ!あのジャージバカ。」
昼間に誰かから言われたらしい。少女は憎々し気に、しかし穏やかな表情で呟く。
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その次は、5人程の子供達のグループ、近くで遊んだ帰りらしい。マンションの前で各々に散って行った。
『また明日ねー!』『バイバーイ!』
「無かったもんね、あんな事。」
少女は寂し気に微笑む。
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その次は、小学校低学年ぐらいの可愛いカップル。時々、二人でスキップしながら歩いている。
その内男の子の方が転んだ。その場で泣きそうになるのを女の子の方が叱っている。
『あなた男の子でしょ!ソノ位で泣いちゃダメ!』
「ふふふっ……。」
少女はクスクスと笑った。
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その次は、高校生のカップル。クラブ帰りらしい二人で楽しく会話している様子。彼の方は大きなゼスチャーを交えながらとうとうと喋り、彼女の方はそんな彼を見ながら時々笑っている。
「素直じゃないよね……アタシ達。」
少女はいささか自嘲気味に呟く。
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次に通り掛かったのは、帰宅途中であろうサラリーマン。スーツがバシッと決まっている。
「アイツには似合わないわね、ハア……」
少女は諦めきった顔をした。
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お次は、中年くらいのサラリーマン、しかも酔っている。大声を上げたりはしないものの、千鳥足が危なっかしい。
「あんなのにはなって欲しく無い。」
少女はむすっとした表情。
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マンションの前に一台の車が止まって。軽くクラクションが鳴る。車の中からは結構良い感じの若い男性、マンションからは女性が出て来た。二人で抱き合い、そのままの体勢で何か話し合っている。そして二人の影が一つになった。
「あわわわっ!」
少女は慌てて後ろを向くと隠れる様に座り込む。
「あ、アタシ達、いつかは……。」
想像してしてしまったのか、耳まで真っ赤にする。
「……あんな風に……なれるのかな……。」
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何処からともなく自転車の音が聞こえて来た。少女の顔は途端に明るくなる。急いで立ち上がると音の主を探す。両手に買い物袋を下げた少年が小走りにマンションに入るのが見えた。
少女はそれを見届けると急いで部屋の中に入り、そ知らぬ顔をしてリビングのソファーに座る。
「ただいまー。」
「シンジ!おっそーい!」
「ゴメンアスカ、レジが混んでて……。」
「早くしてよ。待ちくたびれたんだから!」
「分かったよ。」
少年は少女に向かって微笑んだ。
<後書き>
ま〜くさん。80000HITおめでとうございます!
これだけ短いのに、書くのに2時間程掛けてしまいました。トロイですね。しかも内容が薄い……。(^^;
一応、『一日目』の内容に即したネタです。さて、どの辺りでしょう?
月並みな言葉ではありますが、これからも宜しくお願いしまーす!
跡見さん、本当にありがとうございました!!
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